Close up 谷繁元信(中日)「24年間、プロの球を受け止め続けて」 野村克也、王貞治に次ぐ通算2753試合出場の記録を樹立
11年間、正捕手として守り続けるナゴヤドームのホームベースにて。13日にはここでCS第1戦を迎える

 高卒1年目から一軍の試合に出場し、横浜では日本一に貢献。中日に移籍して11年目。ついに張本勲の歴代3位の出場試合記録を抜いた。近い年代の選手が引退を発表する中、常に一流であり続ける男の矜持―。

「オレでいいの?」って感じでしたね

 広げた両手は、左右で明らかに大きさが違う。肉厚のガッチリした右手に比べて、左はひと回り大きく、心持ち薄い。

「気づいたのは3年ぐらい前かな。左の手袋がきついんで正確に測ってもらったらはっきり大きかった」

 ミットを通して24シーズン、プロの投手の剛球を受け止めてきた手のひらはいつの間にか木槌で叩き伸ばしたように大きくなっていたのだろう。

 谷繁元信の24年の積み重ねは、今シーズン、大記録を生んだ。9月13日に通算出場試合数が2753になった。張本勲を抜き、野村克也、王貞治に次ぐ日本歴代3位の大記録である。

「記録を達成したときは、嬉しいとかいうより、まず、『オレでいいの?』って感じでしたね。上も下もすごい人たちばっかりでしょ」

 謙遜だけで言っているのではない。知らないうちに「やっちゃったー」というような、いたずらが見つかった子どもに近い若々しい感覚がのぞく。1970年生まれの41歳だが、口調もたたずまいも年齢を意識させるものはほとんどない。