シャープ工場も舞台に!大阪府警捜査4課が辿る事件化した土木会社「川端エンジニアリング」と闇の組織をつなぐ点と線

 「このご時世に、派手に遊ぶので有名な人でした。暴力団との交際の噂もあったし、いつか、何かで問題になると思っていたけど、詐欺事件とはね。普段は、そんなそぶりを見せることのない腰の低い、ええ人やけどね」

 大阪の政界関係者が、こう嘆息する。

 事件になったのは、大阪府堺市の土木会社・川端エンジニアリングを実質的に経営する川端和男容疑者である。

 新聞報道によると和男容疑者の息子である川端基裕容疑者が「実質経営者」となっているが、それは和男容疑者が会社に所属していないため。川端エンジニアリングが和男容疑者の会社であるのは業界の"常識"だ。

和男容疑者と山口組系暴力団幹部との親密な関係

 事件はどういうものか。

 被害者は、海洋土木最大手の五洋建設である。同社は、大阪の泉南地区で物流会社の倉庫建設を受注。その下請けに川端エンジニアリングを入れ、孫請けに大阪市内の別の業者を選んだ。資金は、川端エンジニアリングを通じて孫請けに流れる約束だったが、基裕容疑者らは、現金約2億5,000万円と額面6億円の約束手形を下請けに渡さず、詐取したという。

 事件はこれで終わらない。捜査しているのは大阪府警捜査4課だ。普通なら捜査2課が担当する経済事件を暴力団担当の捜査4課が受け持つのは、冒頭にあるような和男容疑者の"属性"によるものだ。

 「川端和男と山口組系暴力団幹部との親密な関係は有名です。幹部の子供を自分の会社で引き取っていたこともある」(府警関係者)

 和男容疑者と暴力団幹部との関係を、府警捜査4課が放置できないとみなしたのは、2006年6月、「親密過ぎる会社」が設立されたからである。

 仮にA社としておく。同社は、和男容疑者と親しい経営者を代表に、川端エンジニアリング幹部が役員に入る形で、大阪市北区に設立された。不動産の所有者は、暴力団幹部の夫人の会社。履歴には、幹部本人所有の痕跡が残されており、普通の人はまず入居しない。川端エンジニアリングが背後の"威力"を見せつけるようにA社を設立したのは、シャープ堺工場が狙いだったという。

 シャープ堺工場は、元請けが清水建設で2007年9月の地盤改良工事から始まった。シャープ本体の液晶、太陽光パネル工場だけで投資額3,800億円。港湾、道路などのインフラに下請け業者の設備工事まで含めれば1兆円となる大プロジェクトだった。

 泉南地区は、「シャープ特需」に沸いた。現在の見る影もないシャープと違い、液晶テレビが大ヒットして絶頂の頃。関西国際空港というビッグプロジェクトが終了、息絶え絶えだった泉南を中心とする土建・設備業界が、みんな群った。

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