スポーツ

[アイランドリーグ]
徳島・島田直也監督「10勝の山口はオフの過ごし方が大切」

2012年10月18日(木) スポーツコミュニケーションズ

フェニックス・リーグで感じたNPBとの差

 11日までアイランドリーグ選抜チームの監督として、みやざきフェニックス・リーグに行ってきました。結果は3敗1分。ワンランク上のNPBのチームとの試合は選手たちにとって、いい勉強となったはずです。ひとつも勝てなかったとはいえ、打線はヒットもそこそこ出ていましたし、いいピッチングをしたピッチャーもいました。若手の2軍クラスと比べて、大きな実力差はないと多くの選手が感じたのではないでしょうか。

 では、NPBとアイランドリーグの選手の違いはどこにあるのでしょうか。それはピッチャーでであれば球の質や勝負どころのコントロール、バッターであればスイングの鋭さや確実性といった部分に表れています。

 たとえば、アイランドリーグのバッターが打ち損じてしまう失投を、NPBの選手は確実に仕留めてきました。アイランドリーグのピッチャーがウイニングショットが甘くなる一方で、NPBの選手は勝負球でしくじりません。こう書くと、ほんのわずかな差に思えるかもしれませんが、1球で結果が変わる野球において、これはとても大きな差です。

 1軍レベルになると、ピッチャーもバッターも、さらに1球に対する精度は高まります。本当に些細なところで一流と、そうでない選手が分かれてしまう。それがプロの世界なのです。フェニックス・リーグに参加している選手たちには、このことを肌で感じ、今後に生かしてほしいと願っています。

キレのあるストレート、カーブ、フォークを投げ、総合力で勝負するタイプの山口

 今回、リーグ選抜入りした徳島のピッチャーでは、いい内容を見せている選手がいます。そのひとりが1年目の山口直紘です。今季、山口は先発としてチームで唯一の10勝をあげました。彼の持ち味はコントロールの良さ。フェニックス・リーグでもその長所を生かし、10日の千葉ロッテ戦で5回を無失点に抑えました。相手チームからも高い評価を得ています。

 山口は開幕から試合を重ねるごとに成長し、考えてピッチングができるようになってきました。自分の強みを生かすには、どうすればいいのか。空振りは取れなくてもファールになるところを打たせてカウントを稼いだり、走者を許した時は低めに投げてゲッツーを狙ったりと、最近は1球1球に意図が感じられます。それがNPB相手でも通用したわけですから、これはひとつの自信になるでしょう。

 ただ、さらに上を目指すには今のボールの威力では苦しいのが現状です。彼にとって、このオフの過ごし方は今後の野球人生を左右すると言っても過言ではないでしょう。この1年、山口は野球を始めてから最も多くの試合に投げたはずです。そのケアをしっかりしつつ、NPBでも通用する体づくりに取り組むことが求められます。下半身の土台をつくることはもちろん、肩回りの筋力アップも必要です。

 正直、現役時代の僕は、あまりオフにトレーニングをまじめにやったタイプではありません。それだけに今になってみると、「あの時やっていれば」との思いが頭をもたげます。NPBで成功したいなら、完全オフはない――山口にはその覚悟で、この冬を過ごしてほしいと思っています。

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