海老原嗣生さんと語る「30歳の転職相談」
【第4回】20代で身につけるべきは「資格」ではなく「相場観」だ

〔左から〕海老原嗣生さん、飯田泰之さん、常見陽平さん

第3回はこちらをご覧ください。

「日本企業がすごいリストラをやっている」という嘘

飯田 「会社はもう助けてくれない」とか「だから自分でスキルを積もう」といった話と同時にまことしやかに言われるのは、「会社の寿命は10年」という説ですよね。あれは確かにうまい数字のマジックだなとは思います。実際、全企業の存続期間の平均を見ると、だいたい10年ぐらいなんですよね。

 でも、それに対しては、「あれだけのことになったのに、東電はつぶれてないじゃん」と言いたい。やっぱり、中堅以上の企業がつぶれるというのは、かなりレアケースのような気がするんです。

海老原 うん。レアケースですよ。つぶれる会社のほとんどは雇用者ゼロ、役員しかいない。ペーパーカンパニーです。

 あと、日本企業はひどいリストラをガンガンやるようになっているという話がありますけど、そんなことはありません。内閣府が出している労働力調査のデータではっきりしています。これは企業に聞いたデータではなく、個人に聞いたデータですから嘘はない。

 このデータによると、いわゆるリストラ、つまり会社事情による強制退職は、最も多かったリーマンショック後の2010年でも、大卒の就労者で4万人なんです。ブルーカラーに関しては、海外移転に伴う空洞化という違う理由で縮小していますが、大卒のホワイトカラーに関しては4万人のリストラ。日本には今、大卒の就労者が約1300万人いるから、切られたのは0.3%にすぎないんですよ。

 すごいリストラだっていうけれど、1000人に3人なんです。100人に1人にもならないレベル。リーマンショック直後の最も苦しいときでも、これくらいの数なんですね。

常見 メディアもそういう数字を理解してないし、発信していないんですよね。さも大規模リストラが行われているかのように煽るばかりで。

飯田 実際、どの数字を見ても、「大卒、ホワイトカラー、中年以上」って本当に首を切られないですよね。びっくりするぐらいリストラされていない。

 たとえばテレビドラマで、リストラを象徴するような場面を描くということになると、よく、郊外の一戸建てに住んでいる、スーツを着たおっさんが公園でうなだれているシーンになる。でも、これはリストラの中で一番レアなケース(笑)。ある程度以上の規模の会社で、大卒で、何かの役職についている40代や50代の人がリストラされるのは極めて珍しいんです。

海老原 そこに、早期優遇退職で辞めた人を含めるかどうかという問題もあります。会社にとってはいてほしい有能な人が、高い金をくれるからという理由で、早期優遇退職で出ていっちゃうケースも多い。リストラじゃなくて、本人希望で辞めてしまう。

常見 ハッピーリタイアですね。

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