日本車の販売不振は深刻! トヨタ自動車が中国の主力工場「天津トヨタ」の操業を停止

 トヨタ自動車は10月22日から中国の主力工場である天津トヨタの稼働を停止させる。尖閣問題を機に中国での不買運動を受けて車が売れないため、生産した車を一時的に保管する「モータープール」が満杯状況であることなどから生産停止を決めた。販売の回復は見られず、操業停止が長引く可能性が高まっている。

 こうした動きが日産やホンダにまだ波及するのは必至で、下請け部品メーカーへの影響も大きく、このままでは日本の景気や雇用にまで大きな影響を与えかねない状況になってきた。

 天津トヨタは、中国最大手の第一汽車との合弁。天津の「西青工場」では、カローラEXと中国専用車ビオス、「泰達工場」ではクラウン、レイツ(日本名マークX)、RAV4などを生産し、年産能力は両工場で約40万台。

 これまで天津トヨタでは国慶節の休暇を増やすなど減産体制を敷き、8日に生産再開後は火曜日から木曜日までを稼働日とする週3日体制で大幅な減産を続けてきたが、それでも車の販売不振により、主要な生産ラインを停止せざるを得ないと判断した。

9月の販売は前年同期比で48・9%減

 トヨタは2011年に中国で約90万台を売り、12年は100万台を目標に掲げている。天津トヨタは中国販売のほぼ半分を占める台数を生産しており、主力工場の稼働停止により、中国での販売目標計画は未達成になるのは必至。そればかりか、「世界で1000万台」の目標も崩れそうだ。

 トヨタの9月単月での中国での販売台数は前年同期比48・9%減の4万4100台。日産のマイナス35・3%、ホンダのマイナス41・5%よりも落ち込みが大きく、「トヨタは日本のシンボルの会社なので不買運動のターゲットになっている」(大手メーカー現地駐在員)と言われ、10月はさらに落ち込むと見られている。こうした状況を受け、トヨタは天津工場の拡張計画を白紙に戻す検討に入った。

 中国でトヨタは広州汽車とも合弁でカムリなどを生産しているが、広汽トヨタでは全面的な生産停止にはならない見込みで、現在は2交代勤務を1交代にすることなどで対応している。ただし、生産が通常の7割ダウンの日もあることから、中国での販売不振が長引けば広汽トヨタも全面的な生産中止に追い込まれる可能性がある。

 生産停止で大きな影響を受けるのは部品メーカー。ある大手部品メーカーの現地法人トップは「国慶節前からの減産により、やる工場では仕事がなく、ゴミ拾い等の社会奉仕活動をさせています。それでも余った社員は自宅待機。生産が元に戻った場合にすぐに対応できるように解雇はできない」と話す。

 工場の近隣の日本料理店は閉店、日系スーパーからも日本食材が消え、日本からの赴任者の生活にも支障をきたし始めている。街を歩く時はひっそりと無口で歩き、夜は外出を避け、「日本人か?」と聞かれたら「韓国人だ」と答えるようにしているという。

「今回ほど日本政府に対し怒りを覚えたことはありません。どんな思いで中国で日系企業が努力し、それがどれだけ日本経済に貢献しているのか民主党政権はまったく分かっていない」(前出部品メーカー現地法人トップ)との声も出始めている。

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