JALの国策救済がもたらした「競争力格差」を無視する国土交通省主導の「羽田発着枠配分」に異議あり
〔PHOTO〕gettyimages

 基幹路線の輸送力を強化するのか、それとも地方の振興を重視するのか---。

 空の足の再編を左右する大きな問題にもかかわらず、羽田空港の"最後"の発着枠配分が、国民的な議論もないまま、国土交通省主導で進められている。

 見逃せないのは、同省が、隠れ蓑のような「交通政策審議会」(国土交通大臣の諮問機関)の下部組織に、これまでも決して十分とは言えなかった公正競争を促す観点を捨てるばかりか、日本航空(JAL)の経営が破綻して巨額の血税の投入による国策救済を受けた事実を直視せずに、「配分基準作り」を進めさせていることである。

 まさか天下りの再開を目論んでいるわけではないだろうが、国交省がJALとの「蜜月の再構築」を目指している兆しとも受け取れる問題だ。国民・納税者として無関心ではいられない。 

携帯電話の周波数割り当てと同じ恣意的な配分基準

 羽田、成田、関空、伊丹の4空港は、航空法で「混雑空港」と定義されており、「航空機の運航の安全を確保」するとの理由から、国土交通大臣が、それらの空港の発着枠を制限したうえで、その使用を認可する権限を与えられている。

 ただ、実際の配分にあたっての恒久的な基準は無く、配分の都度、審議会などを通じて半ば恣意的な基準の見直しが行われてきた。その都度、恣意的な配分基準が作られるのは、総務省が所管する携帯電話の周波数割り当てなどでも同じ。日本の業者行政に共通の問題と言える。

 ちなみに、羽田空港では第6期の拡張工事が終了したのを機に、その第1弾として、1日に付き37便(往復)の増枠を実施、現在は1日当たり440便体制となっている。

 これを各社別に見ると、JALが180.5便とダントツで、163.5便のANAがこれに続く。新規参入航空会社では、スカイマークが32便、エアドゥが21便、ソラシドエアが22便、スターフライヤーが18便、その他が3便を与えられている。

 今回は、第6期工事に伴う増加枠配分の第2弾(国内便としては最終回)で、1日に付き25便増枠し、1日当たり465便(年間34万回)体制にする予定。

 実際の運用開始は来年3月末から。航空券の販売日程などから逆算すると、年内に配分を決定する必要がある。

 このため、国土交通省は今年7月、交通政策審議会に「羽田発着枠配分基準検討小委員会」を設置、今回の配分基準作りを進めてきた。

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