「日本再生」というばらまきに群がった官僚や政治家たち!「復興予算の乱用」を自民や公明、そしてメディアがいまごろになって批判する資格はあるのか

 東日本大震災の復興予算(2011年度から5年間で19兆円)の多くが被災地以外に支出されていたという。もともと9月9日に放映された「NHKスペシャル追跡 復興予算19兆円」が話題になったのがきっかけだ。そこでは、沖縄の国道、反捕鯨団体対策費、国立競技場補修費、国内立地補助金等が具体例として取り上げられた。

 復興のために、国民は所得税2.1%上乗せ25年間などの「復興増税」をあえて選択した。それを被災地以外に使うと何ごとか、という怒りが根底にある。

 政府の行政刷新会議が検証に乗り出したり、財務省も実態調査へ動き出しているが、対応が生ぬるいとマスコミは批判する。

 昨日14日のフジテレビ番組「新報道2001」では、当時閣僚だった片山善博元総務大臣がばらまきだと批判。これに対し、民主党の細野豪志政調会長は「復興予算は被災地以外に使わない」との意向を示した。細野氏は、「昨年は(震災で)日本経済が破綻する瀬戸際だった。当初は被災地に限定することを考えたが、自民党からも意見をいただいて日本全体で付けようと判断した」とし、「この判断は全体としては間違ってなかった」と説明した。

 同番組に出演した自民党の甘利明政調会長は、細野氏の民・自の共同責任発言をあえて否定せず、「復興庁が現場のニーズをくみ取り、助ける作業から始めるべき。年次をまたいで自由に使える基金をつくるべきだ」と指摘した。

 他方、この問題を審議しようとしていた11日の衆院決算行政監視委員会の小委員会が与党・民主党による欠席で流会になったことについて、自民党は問題にしている。

当初から被災地以外にばらまくつもりだった

 ともあれ、まずは今回の復興予算問題について、震災以降の事実関係を整理してみたい。被災地以外に支出は許せないというマスコミや片山元大臣の意見は妥当か、官僚が国民を騙して予算を作ったのか、与党、野党の政治家は知らなかったのか知っていたのか、さらに、そもそも復興増税は正しかったのかなどを考えてみよう。

 復興予算は震災直後から精力的に検討された。政府は、財務省主導の下で東日本大震災復興構想会議を立ち上げ、復興増税を提唱した。同会議の庶務は財務省出身の内閣官房副長官補のところで、事実上財務省が事務局を仕切っていた。増税と同時に各省庁への配慮から復興予算をばらまく思惑もあった。

 事実、2011年5月10日の「復興構想7原則」の原則5で、「被災地域の復興なくして日本経済の再生はない。日本経済の再生なくして被災地域の真の復興はない。この認識に立ち、大震災からの復興と日本再生の同時進行を目指す」と書いている。

 つまり、当初から復興予算を被災地以外にばらまくつもりだったのだ。

 これを受けて、6月24日に成立した「東日本大震災復興基本法」の第2条(基本理念)に、「単なる災害復旧にとどまらない活力ある日本の再生を視野に入れた抜本的な対策」という文言がある。

 この基本法は、政府から提案された「東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案」を撤回し、民、自、公による共同提案を成立させたモノだ。

 政府提案の法案では、基本理念は「単なる災害復旧にとどまらない抜本的な対策」となっていた。「日本の再生」という文言はないものの、復興構想原則のとおり、被災地以外にばらまくという当初の考え方は踏襲されている。この意味で、細野氏がテレビでいった「当初は被災地に限定することを考えた」というのは、政府提案を見る限り正しくない。

 ちなみに、復興基本法案の採決は、参議院サイトにあるが、みんなの党と共産党以外は賛成している。

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