経済・財政
小泉進次郎は「肉を斬らせて骨を断つ」と言い放った!財務省が政権の首を絞める「特例公債法案政局」で窮地に立つ野田首相
〔PHOTO〕gettyimages

 財務省幹部が説明資料を持って自民、公明両党の幹部を個別に訪ね、赤字国債の発行を可能にする特例公債法案を11月中に成立させるよう懸命に働き掛けている。「国の予算執行に必要な財源が11月末にほぼ枯渇する」からだが、自公両党が財務省の説明を受けて賛成に回るはずがない。

 自公両党にとって、特例公債法案は首相・野田佳彦を年内の衆院解散に追い込む「虎の子」だ。このため、財務省が得意とする各個撃破作戦は自公両党に「特例公債法案で追い詰めていけば、首相が衆院解散に踏み切らざるを得なくなる」(公明党幹部)という自信を与え、野田政権を窮地に追い込む結果を招いている。

民主党執行部に対する当てつけ

 財務省の資料はB4版5枚から成り、カラー印刷。簡潔で分かりやすく、説得力に富む。1ページ目で、11月中に法案が成立しない場合、成立まで特例公債の発行をできなくなるだけでなく、法案が成立してもその後の発行額が大幅に増加。国債の需給バランスが崩れることなどによって、日本国債の格付けが下がる可能性があると警告を発している。

 2枚目で、債券市場に与える影響を裏付ける証券会社の著名ストラテジスト4人の分析を紹介。3枚目は今年9月から予算執行抑制の対象としたもの(地方交付税、行政経費など)、4枚目はその対象としていないもの、たとえば恩給、自衛隊・海上保安庁の活動経費(修理費・燃料費など)、職員の人件費などを列挙している。対象としていないものとは言い換えれば、来月中に法案が成立しない場合、執行抑制の対象になるということだ。

 この説明資料で最も重要なところは5枚目だ。「特例公債法案未成立下での財務省証券に発行について」と題し、「財務省証券は財政上、その年度の歳入により償還する必要」と特記している。

 これは民主党執行部に対する当てつけだ。民主党幹事長・輿石東の周辺で、衆院解散につながる臨時国会を先送りするため「特例公債法案が成立しなければ、財務省証券を発行してしのいでいけばいい」という声がある。資料では財政法や今年9月の質問主意書に対する政府答弁書を引用し、事実上の財政法違反になると結論を導き出している。

 財務省の論理は法律に基づいており、財務官僚が自公両党幹部に危機を訴えるのは当然のことだ。しかし、なんとか衆院解散・総選挙を先送りしたい民主党執行部にとっては臨時国会を開かないで済ませる「抜け道」がふさがれたことになる。

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