ソフトバンクは香川真司のようにゴールを決められるか?世界へ果敢なるチャレンジをする孫正義社長にエールを送りたい。

「マトリョーシカ経営者」が日本をダメにする
phpto:broomburg via getty images

 こんなタイトルを見たら、きっと孫さんには怒られると思っています。コムデックス、ヤフー、アリババの買収など、そもそも世界と戦ってきているのですから。

 先週もっとも驚いたニュースは、なんといってもソフトバンクが米携帯電話3位のスプリント・ネクステルと同5位メトロPCSコミュニケーションズの買収を検討しているというニュースです。実現すれば総額2兆円を超えるわけで、さすがに途方も無いM&A(企業買収)になります。2兆円の時価総額とはそもそもどのくらいの規模になるのでしょうか?

 ソフトバンクはこの買収の発表前の株価は2,881円で時価総額が約3.2兆円でした。これは日本の時価総額では日本企業の9位であり、日本のトップ10の中にいました。日本の時価総額上位50社で創業者が率いている会社はソフトバンクとファーストリテーリング(ユニクロ)と楽天だけです。

買収に買収を重ねたソフトバンクの「軌跡」

 さて買収しようとしている2兆円というのは、自社の時価総額の62%にもあたります。また2兆円という金額は、三菱商事や三井物産、JR東日本、日立製作所などの時価総額とほぼ同規模です。いかに大きな買収なのかというのが想像できると思います。

 これだけの規模の資金調達を行うわけですから、借入か増資かその両方をするしかありません。これだけの大規模な資金調達で財務内容が痛まないわけはないのです。そもそもイー・アクセスの買収報道の後ですから、市場関係者の度肝が抜かれました。それも否定的な見方に支配されました。

 結果的に10月12日の1日だけで16.87%も下がりました。時価総額に換算すると一日で5,300億円近い金額がふっとんだわけです。規模的に言うと全日空の時価総額分だけ消えたことになります。いやあ、改めて書くとそのスケールに頭がクラクラします。

 勝算はあるのかといえば、孫さんにはあるのでしょう。少なくとも実績はあります。というのも2006年に英ボーダフォン日本法人を約1兆7500億円で買収し、携帯電話事業に参入。iPhone、iPadなどアップル製品の独占的販売を獲得して(今はiPhoneはauとの共同販売なったけれども)、借入金も順調に返済をし、株価も上昇させました。

 そもそもソフトバンクという会社は、コンピューターの雑誌やコンピューターソフトの卸売の会社でした。それが数々の買収により、インターネット企業、検索エンジンの会社、金融、ADSLなどに事業を展開。携帯電話のキャリアへと変貌していきます。そして今回米国の業界3位、5位の会社を買収すると契約件数では1億件を越して、6千万件のdocomoを大きく凌駕をすることになるのです。

 もちろん、スプリントは5期連続の赤字企業です。本当に黒字になるのか?日本のヌルい競争環境とは違う、血で血を洗う過当競争の世界に勝っていけるのかといえば未知数です。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら