伊藤博敏「ニュースの深層」
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被災地の復興工事に導入されたCM方式。「丸投げ」「談合」を合法化・システム化する新しい公共事業のかたちとは

2012年10月11日(木) 伊藤 博敏
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宮城県石巻市のがれき処理施設〔PHOTO〕gettyimages

 東北の地元紙『河北新報』(10月5日付)に、公正取引委員会東北事務所長に就任した塚田益徳氏の震災復興工事に向けた"意気込み"が掲載されていた。

 「事務所は18人の小所帯だが、入札などを十分に監視していきたい。行政の財政事情が厳しい中、無駄遣いは許されない。入札談合、建設資材のカルテル、下請けいじめなどに対し、きちんと目を光らせる」

 復興特別会計は本年度8兆5,000億円。被災地に膨大な量の公共事業が集中、公取委に対する期待は高い。だが、現実的に進行しているのは、公正な競争が担保されたうえでの入札ではなく、「非常時」を理由にした「官製談合」の横行である。

 宮城県発注のガレキ処理が好例だが、県は昨年8月から今年4月までの間に、8工区に分けて、約4,000億円分を発注した。受注したのは鹿島、大成建設、大林組など大手ゼネコンをメインにした8JV(共同事業体)だが、価格競争はない。

 企画提案型の入札で、60点満額の価格点と40点満額の技術点に分けるが、参加JVすべてが、いずれも参考業務価格の8割程度の価格を提案、60点を確保したうえで「地元貢献度」を主軸とした技術点で競った。県がゼネコン業界に諮ったうえでの「官製談合」といって差し支えない。

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