海老原嗣生さんと語る「30歳の転職相談」 【第3回】社畜やノマドに幸せな未来はあるのか

2012年10月10日(水) 飯田 泰之,常見 陽平

飯田 泰之,常見 陽平飯田泰之X常見陽平「饒舌大陸」

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常見 結局、今、そういう話をぶっ飛ばして「欧米型を目指す」などとさかんに言われてますけど、欧米型、日本型って何なんですかね。

飯田 「日本型雇用システムは時代遅れだ」とか「日本型雇用システムは変質している」といった話ですね。これは常見さんの方が詳しいと思うんですが、僕、一時期、戦前の経済の研究をやっていたときに、今から70年前の『ダイヤモンド』や『東洋経済』をじっくり読んだことがあります。何と、今と同じことが書かれているんですよ。

 丁稚(でっち)から始めて、手代になり、のれん分けされるっていうのが当時の日本型雇用システムです。これが国際競争社会にそぐわないから、もっとグローバルに、いや当時はグローバルとは言わず、世界的に通用する仕組みに変えろとか、そんなことが書いてある。今の『ダイヤモンド』や『東洋経済』、『エコノミスト』なんかにそのまま載っけてもまったく違和感がないですよ(笑)。それから70年、日本では同じことがずっと言われているんです。

常見 そういう議論についてお薦めの本が、さっきも言ったけど、エビさんの『雇用の常識 決着版』。

飯田 これ、以前に出た単行本を文庫化したという体裁なんですが、単行本とは中身が全然違います。全面的にアップデートされて、つい先日出た本です。

常見 6割くらい書き直したんですよね。本当にすごく充実した内容の本だと思います。ごめんなさい、上から目線で。

海老原 いえいえ、ありがとうございます。

新卒採用からこぼれても、正社員になれる

常見 この本にも書かれているんだけど、「日本型雇用システムとは何か」ということが曖昧なのに、たとえば『ダイヤモンド』などの経済メディアは、何ヵ月かに一回、日本型への批判記事を特集するでしょう。日本型雇用システムに関する論争も何度も起こっていて、「日本型というのは大企業に限定されたシステムだ」とか、あれこれと解釈や再定義もなされています。

 それに関して、今日、エビさんにいくつか聞きたかったんだけど、まず、日本の雇用というのは誤解され続けていますよね。何か象徴的な出来事に尾ひれがついて、みんな「若者はかわいそうだ」と言い出したり、「今の雇用に人々は閉塞感を感じている」という話が出てきたり、そこからルサンチマンとも絡み合って、「日本の雇用はダメだ」論につながっているように見えます。その辺をどう思われますか。

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