海老原嗣生さんと語る「30歳の転職相談」
【第3回】社畜やノマドに幸せな未来はあるのか

〔左から〕海老原嗣生さん、飯田泰之さん、常見陽平さん

第2回はこちらをご覧ください。

転職しやすいのは、専門的な能力を積み重ねていない人

飯田 世間では、何か「社会人力」みたいなものがあって、それがギュンギュン上がっていくというイメージでキャリアアップを提唱する人が多すぎるんですよね。

常見 それに重ねてエビさんに質問したいんですけど、2000年代半ばから後半にかけて「ポータブルスキル」って言葉が流行ったでしょ。「どこでも通用するスキルを磨いて、どんな業種でも職種でもやっていける人材になれ」みたいな話。あの流れは、今では否定されていると僕は解釈しているんですが、あのポータブルスキルってどうして出てきたんでしょうね。

海老原 あれは、僕たちの先輩が作った考え方なんですよ。あの考え方で正しいのは、20代というのはまだ、アプリケーションがそんなに載ってない年代じゃないですか。しかも3年以内で辞める人がすごく多い時代、3年しか経験がないのなら、まだアプリケーションがそんなに載ってないんだから、その下のOSの部分を鍛えておけば他の業種や会社に行きやすくなる。そういう流れで出てきた話なんだよ。

常見 ところでこの座談会、なんかビアガーデンみたいな雰囲気ですね。(ニコ生の中継が映っているディスプレイを見て)ここに映ってるのね。エビさんはポロシャツ、僕はアロハシャツで。あ、コメントで質問が来てる。「夕ごはん、何、食べました?」だって。僕、恵比寿の純連でラーメン食べてきました。

飯田 ええと、「35歳の壁」の話に行きましょう(笑)。

海老原 35歳を過ぎたら「でき上がっちゃった人」になっているから、隣の山にはなかなか行きづらい。逆に、キャリアをあまり磨かず、エントリーワークばかりやっている人っていうのは横移動が比較的しやすいんです。欧米でもそうですけど、これも一つの定理。

飯田 つまり、専門的な能力を積んでいなければ横への移動は簡単だと。そもそも山を登ってないから・・・。

海老原 山を下りる必要もない。登っちゃったら隣の山に行けないけれど、裾野にいれば、右にも左にも行ける。そういうことなんですよ。

 たとえば銀行で、あまり仕事ができない人って、35歳になってもいまだに個人相手のセールスをしているんです。同世代の連中が大企業を相手にビジネスをやっている中で、ずっと個人相手のセールスをしてる人がいる。そういう人たちは、それこそプリンスでもトヨペットでも、プルデンシャル生命でも行けますよ。

 簡単に言うと、レジ打ちをやってる人は、レジ打ちをするのであれば、どの会社にも行けるじゃないですか。だから、エントリーワークに近づくほど転職確率は高まるんです。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら