サッカー
指導者にとっての「ブレない姿勢」とは、学ぶ姿勢を忘れないこと
〔PHOTO〕gettyimages

 「決める政治」というフレーズを良く聞きます。民主党の代表選で再選された野田首相の言葉です。

 ゲームの解説や講演などの仕事で、私はひんぱんに地方へ出かけます。そこで目にするのは、新たな新幹線の工事であったり、道路の整備などです。東京都内を車で移動していても、首都高速道路などは工事が絶えません。

 民主党が政権交代で掲げた「コンクリートから人へ」という方針は、いったいどこへいってしまったのだろう。「決める政治」と言うけれど、誰のために決めているのだろう? などと思ってしまうのです。

 ブレない姿勢というのは、リーダーに求められる大切な資質でしょう。

 しかし、「何のためにブレないのか」があやふやになると、リーダーはグループの賛同を得られなくなってしまいます。野田首相や民主党への支持が拡がっていないのも、民意が置き去りにされているからではないか、と私自身は感じています。

 「しっかりやれ!」と叱責するのは簡単

 サッカーの監督も同じです。チームの特徴や個々のタレント性に合わないものを求めても、良い結果は得られません。ひとくちに決断と言っても、「良い決断」と「悪い決断」があるのです。

 監督があれもこれも決めてしまう、つまり目標達成へのプロセスをすべて押しつけてしまうのは、「良い決断」とは言えません。監督自身は「働いている」という満足感を得られるもしれませんが、選手は「やらされている」という意識になりがちです。チームが勝利を逃したら、選手のストレスは溜まるばかりでしょう。

 たとえば、チームが連敗中だったとします。

 選手の心では、「これ以上負けられない」という気持ちが膨らみます。「勝ってやるぞ」という気持ちとは似て非なるもので、どうしてもプレーが消極的になります。ミスを恐れてしまうのです。

 この日も、安全第一のプレーが多い---そんな状況で、ハーフタイムを迎えました。

 「しっかりやれ!」と叱責するのは簡単ですが、それでは具体性に乏しい。

 「このままだと、いつか失点してしまうぞ。ゴール前ではもっと身体を張らなきゃダメだ」と危機感を煽っても、選手は「そんなことは分かっているよ」と思ってしまうでしょう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら