[格闘技]
近藤隆夫「大晦日の闘いの火は“総合格闘技”から“ボクシング”へ」

魔裟斗引退が“最終回”に

昨年の大晦日は内山高志の王座統一戦などボクシングの世界戦が地上波で中継された。

 早いもので今年も、あと3カ月を切った。以前なら10月にもなれば、大晦日の総合格闘技イベントの話題で盛り上がっていたのだが、昨年同様、今年もその気配はない。

 最後に『Dynamite!!』(TBS系列で全国放送)が世間の注目を集めたのは3年前の大晦日。メインエベントでは、アンディ・サワー(オランダ)を相手に魔裟斗の引退試合が行われたのが、危惧していた通り、“事実上の最終回”となってしまった。

 危惧していたというのは、勝者となった魔裟斗が笑顔で舞台を去る時、場内に「これで一区切り」といった雰囲気が漂ったこと。魔裟斗がキックボクサー人生に一区切りをつけた試合に過ぎぬはずが、ファンの側は「格闘技にも一区切り」という気持ちを抱いたように思えてならなかった。ここから格闘技人気が急速に低下。翌2010年も『Dynamite!!』は開かれたが、地上波での放送は縮小され、そのままイベントに終止符が打たれたのだ。

 それでも昨年は地上波でのテレビ放送こそなかったものの、DREAMとアントニオ猪木率いるIGFによる合同格闘技イベント『元気ですか!! 大晦日!!』が、プロレス、リアルファイト混成で開かれた。ところが、今年はそれもない。IGFはすでに今年の大晦日、両国国技館での大会開催を決めている。こちらはリアルファイトではなくプロレス主体である。さいたまスーパーアリーナを舞台として続けられてきた大晦日の総合格闘技イベントの継続は難しいかもしれない。

 だが、大晦日の“闘いの火”が消えたわけではない。総合格闘技に代わってボクシングが大晦日の夜を今年もにぎわせることになりそうだ。

 昨年も大阪、横浜の2会場で世界タイトルマッチが組まれ、いずれも地上波でテレビ放映された。大阪府立体育会館では井岡一翔(井岡)がタイのヨーグドン・トーチャルンチャイをわずか98秒で鮮烈KO、WBC世界ミニマム級王座2度目の防衛に成功した。

 一方、横浜文化体育館では正規王者・内山高志(ワタナベ)が暫定王者のホルヘ・ソリス(メキシコ)に左フック一撃で11RTKO勝ち。WBAスーパーフェザー級王座を統一し、4度目の防衛も果たした。