経済の低迷が続く日本に首都直下型地震が起こればどうなるか? 政府のみならず全国民が危機管理体制を理解する必要がある
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 9月の日銀短観が発表されたが、日本経済も世界経済も明るい展望ではない。とくに、日本経済の低迷は深刻である。しかも、この短観調査は、尖閣諸島をめぐる日中の対立に起因する経済混乱を反映していない。もし、観光業、製造業をはじめ、中国に深く関わっている企業の直近のデータを使えば、事態はもっと深刻であることが明らかになろう。

 金融緩和をさらに続けるにしても、日銀のみで日本経済を立て直すことができるわけではない。明確な成長戦略、雇用戦略を政府が示し、パッケージとして対応しなければ、日本経済は回復軌道に乗らないであろう。

 そのような経済不振が日本の国力を弱め、中国や韓国による侮りを呼んでいる。しかも、鳩山由起夫内閣以来の日米関係の悪化は、アメリカの抑止力の信頼性を揺るがすことになった。それが、竹島や尖閣諸島の問題の背景にあることを忘れてはならない。

危機管理の何たるかを分かっていない政府

 野田改造内閣が発足し、自民党の安倍新体制も動き始めたが、政治が前に進む気配はない。そもそも、臨時国会が開かれるか否かも定かではない。総選挙になれば、民主党は壊滅的な敗北を喫するので、野田執行部は何としても早期解散だけは避けたい。

 そこで、まずは、国会は開かない。もし、国会を開かざるをえなくても、内閣不信任案の可決は阻止する。ところが、民主党から離党する議員が五月雨式に出てきており、いつ過半数割れするか分からない。

 ただ、小沢一郎氏の国民の生活が第一が、内閣不信任案に賛成しないという可能性もある。さらには、不信任案が可決されても、総辞職という手もある。自民党や公明党が期待するほど、「近いうちに」解散総選挙に追い込むのは容易ではあるまい。

 それにしても、東日本大震災の傷跡は容易には消えない。瓦礫の処理、原発事故の後始末と、難問が解決していない。このような状態が続いているのは、危機管理の何たるかを分かっていない人が政府のトップにいたからである。これこそが日本の不幸である。

 首都圏直下型の大地震が数年後には来るという予測もある。政府、企業・団体、そして国民全部が危機管理について理解し、周到な準備と冷静な対応をする必要がある。私は、新型インフルエンザが流行したとき、厚生労働大臣として危機管理の指揮をとった。その際の経験から、いくつかの点を指摘しておきたい。

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