経済の死角

鉄骨落下 福島第一原発
3号機のクレーンは 500m先から遠隔操作!

2012年10月05日(金) フライデー
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8月から、放射性物質の拡散を防ぐ灰色のカバーの設置が進められている3号機。2台のクレーンなど10台の重機が遠隔操作で瓦礫を撤去しているが、その正確性には疑問の声も〔PHOTO〕桐島 瞬

 またもや福島第一原発で、とんでもない事故が起きた。9月22日の午前11時過ぎ、3号機原子炉建屋上部の瓦礫の撤去作業中に、クレーン車が長さ7m、重さ約470kgの鉄骨を掴もうとしたところ失敗。この巨大な鉄骨を、使用済み核燃料の貯蔵プールに落としてしまったのだ。この事故の発生時、3号機近くで仕事をしていた作業員の一人が語る。

「クレーンなどを使った3号機の瓦礫撤去作業は、すべて遠隔操作です。500mほど離れた遠隔監視室と呼ばれる部屋で、ゼネコンの『鹿島』の作業員らが操作しています。3号機の瓦礫の線量は高いものだと毎時1000ミリシーベルト以上もあり、人間では撤去できない。だから、無人の重機を遠隔操作しているのです」

 だが以前から、遠隔操作では事故が起きるのではないかと危惧されていたという。前出の作業員が続ける。

「作業員たちの間で『500mも離れた部屋のモニター映像だけで正確な操作はできないだろう』と、話し合っていたんです。今回の事故も、現場で人が重機を操っていればまず起きない重大なミス。平常時でも物を落とせば、数百万円を払って専門のダイバーに落下物を処理してもらわなければならないほど貯蔵プールは危険な場所なんですから。せめて実際に作業現場が見える場所に合図者がいて指示を出さないと、重機のコントロールは難しい。今後はもっと大きなトラブルが起きないかと、とても不安です」

 3号機のプールには使用済みのもの514本、未使用のもの52本、合わせて566本の核燃料棒が貯蔵されている。重さ470kgもの鉄骨が燃料棒を直撃していたら、とんでもない事態に発展していたかもしれない。京都大学原子炉実験所の小出裕章助教が警鐘を鳴らす。

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