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夜の盛り場で何が起きているのか? 六本木襲撃事件のクラブ摘発で勢いを増す捜査権力の暴力集団「半グレ」徹底排除

 目出し帽を被った集団が、飲食店経営者の男性(享年31)を撲殺した現場となった六本木のクラブ「スタジオ ゲイト」が、無許可営業を行ったとして摘発され、代表取締役の馬場幹人容疑者(39)ら8名が風営法違反で逮捕された。

 事件が報道された10月1日、西麻布の人気クラブ「エーライフ」、六本木の「フェリアTOKYO」などの運営会社を実質経営する上山伸治元社長(52)が、約1億3,000万円の所得を隠し、約3,900万円を脱税したとして東京地検に告発された。

 二つの事件が重なったのは偶然だが、捜査当局の背後にある思惑は深く真剣だ。若者が集まって朝まで踊り、ファッション最先端の場であり、出会いの場であり、ストレス発散の場となっているクラブを、徹底的に締め付けようとしている。

 9月2日の六本木襲撃事件の直後、警視庁は暴走族グループ「関東連合」の元リーダー・石元太一容疑者を詐欺容疑で逮捕した。「他人名義でマンションを借りた」という容疑は明らかに別件で、警視庁の真意は、六本木襲撃事件の真相を探るものだった。

無許可営業の正当化に"切れた"警視庁

 警視庁に限らず、今、捜査権力は、麻布・六本木に代表される繁華街の主役となった暴力集団を徹底排除しようとしている。クラブはその"根城"という意識。そこでまず、彼らの集まる場であり、収益にもつながる場を閉じさせようとしている。

 六本木襲撃事件を捜査しているのは警視庁刑事部捜査一課だが、それに組織犯罪対策部が加勢。石元容疑者を逮捕したのは、暴力団ではない「半グレ」と呼ばれる暴力集団を専門的に取り締まる組織犯罪対策特別捜査隊である。

 また、そうしたクラブ内で、「風俗」として大麻やクスリが蔓延しているとして、薬物担当の組織犯罪対策5課や厚生労働省の麻薬取締官が、常にマークしている。

 国税が、クラブ運営会社や経営者を重点調査対象としているのは、上山氏への執拗な調査でも明らかだ。

 クラブは、飲食店、ゲームセンター、パチンコパチスロといった風俗一般を取り締まる風営法によって厳しく取り締まられており、「3号」と「4号」の免許が必要。許可を取れば堂々と「ダンスの場」を提供できるが、その代わりに最長でも午前1時には閉店しなければならず、「それからが本番」の客を満足させることができない。そこで、摘発覚悟の無許可営業が横行している。

 クラブ運営会社では、「社長はダミー」が当然。襲撃事件の現場店は、事件から19日後に、店名を「フラワー」から「スタジオ ゲイト」に変更して再開した。惨劇の場となったVIP席は、デザインを変え、カーペットを張り替え、手を加えてはいるものの、クラブ全体が変わったわけではない。"お目こぼし"の無許可営業を正当化したような店の姿勢に警視庁は"切れた"。だが、馬場容疑者は雇われ社長で、オーナーのI氏に罪が及ぶことはなかった。

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