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本誌でしか読めない「日本の大金持ち」シリーズ番外編 女でも大富豪その儲け方を大公開

●子育てと仕事の両立は目指さない●「妄想」と「暴走」を繰り返す●女性大好き「キラキラしたもの」で勝負する●「カネに糸目をつけない人」を相手にする

「男は悪い時にあがくからダメなの。恥も外聞もなくドーンと落ちちゃう。そうすれば上がるしかないでしょ」今回登場する女性経営者の名言だ。男勝りだけど男とは違う、女の大富豪の人生哲学とは。

「歩く100億円」と呼ばれて

 名古屋の高級住宅街・覚王山を歩いていると、総面積1万m2を超える森が突如として現れる。その中には日本料理、懐石料理、イタリア料理、フランス料理の店が点在している。

「よし川ビレッジ」と名づけられたこの森全体を、実は名古屋のある女性社長が所有・運営している。株式会社よし川社長でよし川グループ代表の吉川幸枝氏(77歳)が言う。

「19年かけて24所帯を買って、自分の街をつくったのよ。とてつもないことをやるためには、常識を超えなきゃいけない。常識の世界にぶら下がらないと怖い、という人には、一生たどり着けない場所があるわね。

 その意味では、私の人生は『妄想』と『暴走』の繰り返しなのかもしれない。自分が目指す道を誰より勉強し、誰より努力したときに、妄想と暴走が発動して誰もいない領域に入っていくことができる。その時チャンスがつかめるのよ」

 よし川グループ全体の年商は70億円を超え、吉川氏個人の年収も億単位。「成功は妄想力にあり」との哲学は極貧の少女時代につかんだものだという。

「5歳の時に父が子供13人を残して死に、名古屋の町を母とリアカー引いてさまよう日々もあった。14歳で飲食店の洗い場に入った時、1年間で割った皿の数が少ない人に500円の賞金が出ると言われたの。

 そこで私は、裸足で洗い場に立つことにした。靴を履いて洗い物をやると皿が割れても平気だから人間が横着になる。だから割れたら自分の身が危ない裸足で洗ったろうって。『女ターザン』と呼ばれたわ。

 自分のなかで人とちょっとした違いを感じられると『私のほうが偉い』と思えるわけよ。一番大事な起点はそこです。人との違いを感じられない人に妄想はできない。違いをつくることで自信が生まれる」

「歩く100億円」と呼ばれる吉川氏は、人前に出る時は総額数十億円のダイヤやルビーを身につける。

「宝石を集めることは趣味なんかじゃないの。これを『どうじゃ』と見せびらかすのは、幸せ色を表現するためよ。『絵に描いたような女の幸せ』の一つの形を見せている。グロテスクでもあるけど、グロも極めれば美しい。それが私の信念であり、自分に言い聞かせていることでもある」

 女の大富豪には男とは違う生き様があり、男とは違う「儲けの哲学」がある。それは時に理屈では説明できない、女の「本能」や「直感」に由来する。