海老原嗣生さんと語る「30歳の転職相談」 【第2回】「スキルアップすれば転職確率が上がる」というのは幻想だ

2012年10月03日(水) 飯田 泰之,常見 陽平

飯田 泰之,常見 陽平飯田泰之X常見陽平「饒舌大陸」

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飯田 別に、日本企業が資格を評価しないわけではないんですよね。実際には、資格を持っていたって、それだけではさほど役に立たないことが多い。

海老原 資格を持っていても、今は税理士でも営業しなきゃならない。もしくは、人を使って組織を作り、自分は上になって大きい仕事をする。そうしない限り、金は儲からないんですよ。

 だから、「俺は人と話すのが下手だから税理士の資格を取る」とか「会社勤めが嫌だから、税理士の資格を取って何とかする」っていう人たちは、税理士の一番下に入るしかない。開業しても仕事が入らない。営業できないから。

 すると、そういう人たちは年収300万円で終わっちゃう。「資格」プラス「営業」あるいは「人を使うこと」という仕組みを作らない限り、資格は生きてきません。

実現できない「自己実現プラン」を書かせるキャリア教育

飯田 資格を取るだけだったら、他にも取る人が多くて供給過多になったとき、価値が下がっちゃうわけですよね。

常見 となると、資格を取るにせよ、ノマドワーキングを始めるにせよ、「お金を誰からどうやってもらうのか」ということをはっきりさせておかないと、若者はだまされてしまいますよね。資格を取っても、それだけで別に救われるわけじゃない。

 弁護士の世界も今、競争が激しくなっているでしょう。僕の知人で、札幌で成功している弁護士がいまして、彼は街中から離れた郊外にオフィスを構えているんです。普通、地方都市の弁護士って、ちょっと成功すると、見栄もあるから中心街に事務所を構えたがるんですが、それとは正反対。しかも、スタッフもほとんどいなくて、実質的に一人でやっている。

 仕事の内容は、離婚や交通事故から、借金、相続問題に至るまで、いわゆる「町の弁護士」。スマートなイメージはないかもしれませんが、競合はいなくて、仕事がよく来る。うまくビジネスをやってるんですよね。

飯田 その人は、マーケットを決めてそこだけを集中的に掘り、しかも他の競争相手が強引に入ってくるほどおいしいマーケットではないので成功している、というニッチ占有事例の典型だと思います。キャリアプランニングをあれこれ考えるときに、まずそうやって自分のポジションを決めるのは有効な方法でしょうね。

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