米ドルの一人負け、高金利・資源国通貨が買われる理由
今月13日の記者会見でQE3の実施を発表したバーナンキ議長〔PHOTO〕gettyimages

 ようやく、主要国の金融緩和競走が一服した。主要国経済の低迷が続いている現状を考えると、思い切った金融緩和策の実施は当然のことなのだが、米国FRBのQE3(量的緩和第3弾)実施に驚かされた金融専門家は多かっただろう。FRBも、毎月400億ドルのMBS(住宅ローン担保債券)を買うことをよく決断したものだ。

 しかも、QE3には期限の設定がない。米国の労働市場が本格的に回復するまで、FRBはMBSを買い続けることになる。今回、国債ではなくMBSを購入対象に選択した背景には、米国の住宅市場をピンポイントで改善させる意図があったのだろう。その意味では、住宅市場への相応の影響は期待できるはずだ。

 問題は、FRBがそれほど思い切った政策に踏みこまざるを得なかった理由だ。経済指標を見る限り米国経済は緩やかに改善しているように見えるのだが、今回のFRBの措置は、米国経済の厳しさを表していると考えるべきだろう。そうした要因もあり、9月までの3ヵ月間、ドルは主要通貨の中で一人負けの状況だった。

米国経済とドルの一人負け

 通貨は基本的に国の代表だ。国の経済が強くなれば、その国の通貨も強含みの展開となるのが通常だ。それは基軸通貨であっても同じだ。今回、FRBがQE3で予想を上回る施策を実施したことは、ドルが軟調な展開になることを加速させる可能性がある。

 特に、短期的な為替の変動は、金利に引っ張られることが多い。投機筋などは金利差を見て為替取り引きを行っていることが多いため、金融政策が緩んで金利が下がると、どうしても当該通貨は売られやすくなる。

 9月までの3ヵ月間、為替市場で最も弱含みの展開になっていたのがドルだった。9月13日のQE3実施は、そうしたドルの軟調な展開を裏付ける要素だったと言える。ドルが売られることによって、他の通貨、特に資源通貨や高金利通貨などに投資資金が流れ込んだ形跡が見える。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら