生活保護「受給者バッシング」の正体---年間支払額3.3兆円、受給者210万人の「世界」を徹底検証 【第1回】安田浩一(ジャーナリスト)

2012年10月05日(金) g2
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職員 いま、「次長課長」いうて、テレビでやっとりますな。市民の目も厳しくて。

女性 はい。

職員 いまの状態では躊躇しとるという状態です。申請書をくださいというのであれば、これ以上の話はありません。

 このやり取りを聞く限り、職員は「河本騒動」を持ち出す形で明確に申請を拒否している。これは生活保護行政にとって、あってはならないことなのだ。

 受給資格があるかどうかは問わず、申請の権利は誰にでも保障されている。申請じたいを"上陸寸前"で食い止め、受給者の数を増やさないようにする---役所用語でいうところの「水際作戦」が発動されたとみるべきであろう。

〈次回につづく〉

『g2(ジーツー) vol.11』232~242ページより抜粋

安田浩一(やすだ・こういち)
1964年静岡県生まれ。週刊誌、月刊誌記者などを経て2001年よりフリーに。著書に『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『外国人研修生殺人事件』(七つ森書館)ほか。新刊『ネットと愛国』(小社刊)で2012年度講談社ノンフィクション賞、JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞

『g2(ジーツー) vol.11』
(講談社MOOK / 税込1,200円)
民主党政権を「ぶっ壊す男」小沢一郎と橋下徹とはいったい何者か、なぜ生活保護「受給者」バッシングは起きたのか、など「いま」の話題から、講談社ノンフィクション賞選考会の中身まで。

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Contents

●民主党政権を「ぶっ壊す男」の本性
「手紙流出事件」の背景にあったのは家族問題か、政争か
小沢一郎妻に「離縁状」を書かせた男 青木理(ジャーナリスト) 4

大阪を変える、日本を変えると言うが、何をつくるというのか
橋下徹は「改革者」ではなく「壊し屋」である 森功(ノンフィクション作家) 18

中国インサイドストーリー
尖閣諸島を狙う国の源泉ここにあり クーデター未遂、密告、裏切り・・・
暗闘---習近平が勝ち残った「世界一熾烈な権力闘争」 近藤大介(「週刊現代」副編集長) 32

稲盛流合理化の「限界と死角」
再上場JALは本当に「離陸」できるのか 町田徹(ジャーナリスト) 56

いま最も注目されている社会学者が「古い戦争」の記憶を歩く
アウシュビッツ、ベルリン、ローマ、そして日本
古市憲寿「敗戦をかみしめて」 180

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