ECBの「1~3年債無制限購入」で投資家にリスクオンの兆候
国際の無制限購入を発表したドラギECB総裁〔PHOTO〕gettyimages

 足許で、大手投資家の動きに変化が出始めている。彼らはつい最近まで、ユーロ圏の信用不安問題などの懸念で、リスクを取って投資活動を行うことを抑えていた。ところが、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が、信用不安に苦しむ国の1年から3年までの国債を無制限に購入する方針を打ち出したことをきっかけに、彼らの懸念が少しずつ氷解しているのだ。

 無制限に国債を購入するということは、何か問題が発生したときには、ECBが最後まで信用供与を行う姿勢を鮮明にしたことになる。その方策が実施されるためには、当該国が自発的に支援を要請することが必要となるものの、ECBの後ろ盾は相応の力を発揮するはずだ。

 その証拠に、ECBの方策は未だ実行されていないにも拘らず、スペインやイタリア国債の流通利回りは顕著に低下した。これらの国債を売り持ち=ショートしていた投機筋の買い戻しを誘ったことは明らかだ。

ECBがユーロ圏の"最後の貸し手"となる

 ヘッジファンドなどの投機筋は、今まで、スペインやイタリア国債を売り崩す意図をもってポジション作りを行ってきた。ドイツの抵抗でユーロ圏諸国の利害関係が一層拗れ、ユーロ崩壊につながるリスクを念頭に置いていたためだ。

 ところが、ドラギ総裁の説得によって、従来は反対の姿勢を取ってきたドイツまでが、信用不安国の国債の無制限購入を容認するようになった。加えて、9月12日にドイツ憲法裁判所は、ドイツのESM(欧州安定メカニズム)への支援が合憲との判断を行った。

 これによって、ECBによる国債の無制限購入の実現性が大きく前進した。ECBがユーロ圏内の事実上のLLR=レンダー・オブ・ラストリゾート(最後の貸し手)となることが決まったと言える。その意味は決して小さくない。LLRが決まったことで、ECBの信用力が低下しない限り、信用不安国には救済の手段ができたからだ。

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