自公民の三党合意は日本の民主主義をねじ曲げる愚行。二大政党制が成り立たないのなら小選挙区制は廃止して中選挙区制度を採り入れるべきである!
大差で再選を果たした野田首相〔PHOTO〕gettyimages

 民主党代表選挙では、野田首相が大差で再選された。全く盛り上がらない代表選であったが、その分、マスコミの注目は自民党総裁選挙に集まった。新総裁が決まれば、秋の臨時国会開幕に向けて、一気に政局が緊迫化する。

 まず、民主党であるが、多くの難問が野田首相を待ち受けている。第一に、今後も離党者が相次ぐとの予想がある。10人以上が民主党を去るという情報もある。民主党という看板では選挙が戦えないとすれば、たとえば、橋下大阪市長の日本維新の会に鞍替えしようという者がでてきても無理はない。10人もの議員が離党するとなれば、与党の国民新党を加えても、野田内閣は衆議院で過半数を維持することは不可能となる。つまり、内閣不信任案は可決される。

 野田首相は、谷垣自民党総裁との「近いうちに」解散という約束を反故にするつもりであろうが、数の力で不信任案が可決されればどうするのか。しかし、そうなっても、解散総選挙ではなく、総辞職を選ぶということも可能である。野田首相は、消費税増税を実現させた首相として名を残すことができるし、民主党も延命できる。この選択肢の可能性は高いと考える。

 第二の問題は、特例公債法案をどうやって成立させるのかという点である。これが成立しないかぎり、予算執行が不可能になる。野党の協力をとりつけることが可能なのか。選挙制度改革についても、事情は同じである。

三党合意や大連立などあってはならない

 そこで、党人事、内閣改造がどのようなものになるか、注目に値する。それは、自民党にもまた多くの問題点があるからである。総裁選の候補者をみても、ナショナリスト的、右翼的色彩が濃い。自民党がこれ以上右旋回すれば、圧倒的多数の国民の支持など得ることはできない。

 私が関わった自民党憲法改正案は、そのような視点からリベラルな要素を残し、国民の過半数が納得できる内容であった。しかし、私が離党した後に作られた憲法改正案は、あきらかに右翼指向を強めている。犬の遠吠えの野党であり続けるならば、それでもよいかもしれないが、政権に復帰しようとするのなら、これでは困る。

 消費税増税をめぐって、自民党は公明党とともに民主党と三党合意を結んだが、これこそ日本の民主主義をねじまげた元凶である。野田内閣が、マニフェストを破って消費税増税を唱えた瞬間に、解散総選挙に持ち込むべきであり、国民を騙した政権に協力するなどもってのほかである。

 そのうえ、消費税増税法案を通した後に、われわれ中小政党が提出した内閣総理大臣問責決議案に賛成するというちぐはぐな行動をとっている。そのつけが、総裁選からの谷垣撤退であり、自民党支持率の伸び悩みである。

 そもそも、小選挙区制の下で三党合意や大連立などあってはならないことである。小選挙区制を導入するときには、多くのメディアを含めて、国民は大喝采した。それは、「政策の異なる二大政党間で政権交代を可能とする制度」という点に賛成したからである。確かに政権交代は実現したが、その他の点では、問題続出である。

 その最たるものが、自公民の三党合意である。そのような与野党間の談合を行ったのでは、「政策の異なる」という本質的なメリットが解消されてしまっている。野田首相、そして三党合意を賞賛する全国紙の責任は大きい。ある全国紙など、「消費税増税の折には新聞に軽減税率を」と社説に書いていたが、笑止千万である。自分の利益だけを考える新聞に「社会の公器」を名乗る資格はない。

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