自民党総裁選は安倍・石破の一騎打ち濃厚。一方、代表選が盛り上がらなかった野田首相の切り札は「内閣改造サプライズ人事」
民主党代表戦で投票するのだ首相〔PHOTO〕gettyimages

 端から勝敗が見えていた民主党代表選は、3候補が鎬を削る自民党総裁選に比べて国民の関心も薄く低調に終わった---。それでも筆者は、野田佳彦首相の代表再選を決めた、9月21日午後1時から東京・紀尾井町のホテルニューオータニ「鶴の間」で開かれた民主党臨時党大会を覗いてみた。

 だが、野田首相、赤松広隆元農水相、原口一博元総務相、鹿野道彦前農水相の4候補が衆参院議員、地方代議員などを前にして行った最後の「決意表明」を聞いたところで、退席した。各候補は持ち時間の10分間、それこそ声を張り上げてアピールしたが、心に響くような内容に乏しく、盛り上がりに欠ける決意表明だった。

 さて、再選された野田首相を待ち受けるのが26日の自民党臨時党大会で選出される次期総裁である。町村信孝元官房長官の突然の検査入院・選選挙活動続投といったハプニングもあったが、新総裁の座を巡り、安倍晋三元首相、石破茂前政調会長、石原伸晃幹事長の3人が熾烈な争いを演じている。

「安倍の決選投票辞退はあり得ない」

 しかしここに来て、前号コラムで書いたように、自民党関係者の間で石原氏の「失速」の可能性が取り沙汰され始めた。同氏は、最大の票田であり、自らの地元でもある東京を含む党員・党友の地方票(300)で伸び悩んでいるのだ。国会議員票(199)についても、先のハプニングもあって安倍氏は票の上積みが期待できそうだ。

 そして、自民党総裁選の第1回投票は、(1)第1位石破、第2位安倍、(2)第1位安倍、第2位石破、のいずれかになる可能性が極めて高くなった。こうしたことから、早くも安倍、石破両陣営は、決選投票を前提とした情報戦(神経戦)に入っている。

 石破氏サイドから「安倍さんは、2位だったら、決選投票で敗れると政治生命に傷が付くので、名誉の撤退をするのではないか」「気位の高い安倍さんは、石破さんの下でのナンバー2に耐えられないので、決選投票を辞退するだろう」という声が聞こえてくると、安倍氏側は直ちに「安倍の決選投票辞退はあり得ない。どころか、第1回投票で決着する」と強く反発する。

 安倍、石破両陣営は総裁選序盤で、(a)石原第1位、第2位石破、第3位安倍、(b)石破第1位、石原第2位、安倍第3位、(c)安倍第1位、石原第2位、石破第3位、(d)石原第1位、安倍第2位、石破第3位、のいずれのケースについても「安倍・石破連合」を結成して第1回投票で上位の候補を支援すると「合意」していたはずだ。だがやはり、両氏のトップ争いが見えてくると、政治世界の権力闘争の常でそうした「合意」はなかったものなるようだ。

 仮に石破氏が第1回投票で第1位になったとしても、地方票で半数の150を超えない限り、決選投票で安倍氏の逆転を許すのではないかという見方が強くなっている。即ち、「安倍総裁」誕生である。

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