長谷川幸洋「ニュースの深層」
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「近いうち解散」「シロアリ退治」「原発稼働ゼロ」・・・約束を平気で次々に破る野田佳彦という政治家の「本質」

2012年09月21日(金) 長谷川 幸洋
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〔PHOTO〕gettyimages

 野田佳彦首相が「秋の解散」先送り発言を繰り返している。

 9月19日のテレビ朝日系列「報道ステーション」では「『近いうち』と言ったのは事実。ただし、それは内閣不信任案と問責決議という野党にとっての異議申し立てを放棄するという前提での話だった」と述べた。そのうえで自民党総裁選の後、新しい総裁と「3党合意をどうやって実現していくのか腹合わせして、今後のスケジュールを考えたい」と語った。

 私は先週のコラムで「10月解散の話は消えた」「野田は党代表に再選されれば、新しい自民党総裁と党首会談を開いて、3党合意やその先にある連立の可能性について突っ込んだ協議をする運びになるだろう。解散に踏み切るかどうかは会談の結果次第だ」と書いたが、まさにその通りの展開になった。

谷垣との約束を一方的に破った野田

 注目されるのは、野田が谷垣禎一自民党総裁との会談の中身に触れた点だ。近いうち解散の約束は「内閣不信任案と問責決議の放棄が前提だった」と暴露している。先週のコラムで書いたように、谷垣は「会談について外に出すのは『近いうち』という部分だけにする、と合意した」と語っている。そうだとすると野田は今回、この約束も破った形になる。

 ここが、むしろ重要だ。政治家同士の密約で中身と公表の仕方は表裏一体、ワンセットである。野田は公表の仕方について谷垣との約束を一方的に破ったのだから、合意の中身についても、もはや「守る理由はない」と考えているとみて間違いない。

 野田が暴露したように、もしも谷垣が本当に「近いうち解散」と引き換えに内閣不信任案と問責決議を封印する約束をしていたなら重大だ。言うまでもなく、野党にとって最大の武器は内閣不信任案、次いで問責決議である。この2つを封印するなら、いわば完全武装解除したのと同じになる。戦う前から政局のイニシアティブを敵に渡したも同然だ。「あなたを信じますから、私は武器を捨てます」という話なのだ。

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