世界中で話題になっている画期的研究 20年後、人類は「不老不死」になる

2012年09月26日(水)
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「例えば、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って皮膚を再生できます。自分の若い頃のiPS細胞から再生させた皮膚を移植すれば、100歳でもつやつやの肌でいられる。髪や目も、iPS細胞で再生して移植すれば、若々しいままに保てるかもしれません。これは決して夢物語ではなく、いまも研究者たちの挑戦が続いています。そう遠くない時期、数年のスパンで実現する可能性が高い」

 体のあらゆる部分を再生して若返ることが、理屈のうえでは可能なのである。

 また、幹細胞とともに老化防止の鍵を握るのが、染色体の末端にある〝テロメア〟だ。中原博士が続ける。

「テロメアは、細胞分裂のたびに徐々に短くなり、完全に消耗したとき細胞分裂が止まってしまう。細胞が分裂できなくなれば、生物は死を迎えます。つまり、テロメアの消耗を抑えることで、不死が可能になるかもしれないのです」

 実は、テロメアを操作して生物の寿命を延ばす実験は、すでに成功している。前出の近藤医師によれば、テロメアとともに〝スーパーp53〟という遺伝子を活性化したマウスは、通常のマウスよりも13~24%も長生きするという研究結果が発表されているという。

「テロメアが活性化すると、細胞の寿命が延びるとともに、がん化しやすくなるのが問題でした。しかし同時にスーパーp53を活性化すると、細胞ががんにならないよう監視してくれる。テロメアが長いほど細胞は若いということですから、寿命も延びる」(近藤医師)

高齢出産も介護もなくなる

 さらに、人間の寿命や老化には〝サーチュイン遺伝子〟が深く関わっていることもわかっている。この遺伝子は、普段は眠っているが、カロリーの摂取を抑えたときに活性化する。サーチュイン遺伝子が活性化すると、免疫力の低下が抑えられ、老化を抑制することができるのである。

 カロリー摂取を抑えると寿命が延びることは、古くから知られていた。マウスのカロリー摂取量を80%にすると、寿命が通常より20%延びるという。儒学者の貝原益軒が著書『養生訓』で唱えた〝腹八分目〟は正しかったわけだ。これなら、薬の完成を待たずとも誰でも実行できる。

 これらの〝老化克服戦略〟に対しては、否定的な研究結果もないわけではない。しかも先述のとおり、テロメアの活性化は未だにがん化の危険と隣り合わせだ。だがデグレイ博士は、

「技術の発展がわれわれの加齢を追い越す日が必ず来る。いま中年以下の人たちは、その恩恵にあずかれるでしょう。50歳前後の方はチャンスです。150歳まで生きる人が現れれば、その10年後には1000歳まで生きる人が現れるはずです。そして、社会は大きく変わる」

 とあくまで楽観的である。

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