櫛の歯が抜けるように離党者が出て、あと13人。解散を待たずとも民主党に迫る「過半数割れ」の危機

  大みそかに紅白歌合戦の裏番組でプロレスの出来試合をやっているみたいなもんですよ」―。民主党議員が自嘲気味にこう語っていた。スポットライトは事実上、次期首相を選ぶことになるとみられている自民党総裁選(9月26日投開票)に集中し、民主党代表選(21日投開票)の影は薄い。

 それでも今、政権を担っているのは民主党だ。衆院解散権は首相・野田佳彦の掌中にある。今後、数カ月は続く野田政権はどのようにして「負けを減らす」作戦を展開していくのだろうか?

再選後のポイントは人事

 民主党代表選は10日告示を前にした7日、原発事故担当相・細野豪志が出馬を見送った段階で事実上、幕が下りた。不出馬を決めた細野は「福島のことはどうしても頭から離れなかった。この仕事を投げ出すことはできない。それが最大の理由」と語った。

 だが、突如浮上し、数日で消えたかに見える細野擁立劇は案外、根が深いかもしれない。細野が6月に、離党する前の新党「国民の生活が第一」代表の小沢一郎と極秘で会い、小沢に離党しないよう働きかけるとともに、代表選のことも話し合っているからだ。

 細野の出馬断念後、登場した候補は党内で支持が広がらない人ばかりだった。

〈野田では次期衆院選で勝てない、党分裂を招いた責任も大きいが、だからといって元農水相・赤松広隆、元総務相・原口一博、前農水相・鹿野道彦に投票する気にもなれない〉

 民主党議員の大勢はこんな心境だ。だから野田の再選は確実だが、再選後の展望は決して明るくない。

 まず、臨時国会の召集時期。今月8日に閉会した通常国会はケンカ別れした状態で終わっており、召集されても審議が行われるメドはまったく立っていない。

 民主党現執行部は10月15日か18日召集を念頭に置いているが、国対幹部は「召集後の段取りがある程度見えなければ召集する意味がない」と語っており、召集が下旬にずれ込む可能性もある。

 野田は代表再選後、内閣改造・民主党役員人事を行う意向だ。この人事も自民党総裁に誰が選出されるか、自民党の新執行部がどんな体制になるかを見極めないと難しい。このため、野田が国連総会出席した後、帰国後の今月28日以降になる見込みだ。

 この人事のポイントは次期衆院選を戦える体制をつくれるかどうかだ。現在の「幹事長・輿石東、幹事長代行・樽床伸二、選対委員長・髙木義明」は選挙という面ではあまりにもぜい弱だ。幹事長には副総理・岡田克也か政調会長・前原誠司、幹事長代行兼選対委員長に財務相・安住淳を推す声が上がっている。安住は党選対委員長を2回経験しており、選挙に精通している。

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