コロンビア大学を目指し日本の名門高校を中退、渡米した寺田悠馬さん。主体性あふれる高校生活と就活のない大学生活で学んだものはコレだ!

2012年09月17日(月) 田村 耕太郎

---寺田さんが高校生にして日本を離れる決断をしたきっかけは? 著書を読むとずいぶん東京LOVEな感じがするけど。名門の高校は喜ばなかったんじゃない?

寺田悠馬さん

 私が16歳の夏に日本の高校を辞めて渡米した理由は、映画や書籍で目にしていたニューヨークという街が格好いいなという、漠然とした、そして強烈な憧れだけでした。振り返れば、あまりにも後先を考えない行動でしたが、それをとがめず、許容してくれた家族への感謝に堪えません。

 海外留学を検討するにあたって、帰国後の大学入試や就職活動を心配して躊躇する必要はないと思います。それは日本の就職活動や雇用制度自体が行き詰まっており、今後劇的に変化せざるを得ないと思われるからです。拙著『東京ユートピア』で書かせて頂いた、東京という街への強い愛情は、海外で生活できるようになって初めて芽生えたものだと思います。

---いきなりアメリカの高校に編入するのは容易ではないと思うけど、どうやって情報を集めてどんな受験をしたの?

 アメリカのいわゆる「プレップスクール」(進学校)に関する情報は、非常に少ないものの、私が受験をした90年代後半にはすでに、日本でも入手することができました。当時は全米のプレップスクールの情報が掲載された電話帳のような本が市販されていたのでこれを活用しましたが、今は情報がより豊富という印象を持っています。

 プレップスクール入試で最も重視されるのは渡米前の中学・高校時代の学校の成績と、その時の教師に書いて頂く推薦文です。いずれも、日本でしっかり勉強をしていれば入手できるものであり、プレップスクール受験は、本人の意志があれば可能だと思います。

---さて、今少しづつ日本の中高生もあこがれ始めているアイビーリーグ進学。ただ、日本の偏差値のような指標がなく、どうやったら合格できるかよくわからないといわれる。どんな準備をして、どれくらい自信はあった?

 アメリカの大学受験で最も重視されるのは高校の成績です。これに続いて高校の教師に書いて頂く推薦文と自分が書くエッセイが重要です。最後に「SAT I」と「SAT II」と呼ばれる標準テストを受ける必要がありますが、これらのスコアは、他の項目に比べて重要度が下がります。この他に、学校によっては面接を実施している場合もあります。

 アメリカの高校は四年制ですが、志望校に願書を送るのは四年生の一学期です。従って、受験に際してもっとも重要なのは高校三年生と四年生一学期の成績です。競争率が高い学校を目指す場合、この期間によい成績を収める必要がありますが、これができれば、教師の推薦状は必然的についてきます。

 次にエッセイの書き方ですが、これに必勝法はありません。なぜなら、正解がない問題を受験生に問うことこそがエッセイの趣旨であり、このあたりが、アメリカの大学受験において、標準テストが他の項目に比べて重要度が低い所以でもあります。従って、正解があるという考え方を先ずは捨てて、自分が今までしてきたことと、これからしたいことを落ち着いて考え、思ったままを書くことをお勧めします。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。