日本一のニート、未来を語る
「食、住、友達、ネットがあれば人生は十分です」phaさん 【第4回】

〔左〕phaさん(自称ニート/「ギークハウスプロジェクト」発起人)と〔右〕米田智彦さん(フリーエディター)

第3回はこちらをご覧ください。

ノマドにはカッコいいことなど何もない

米田 ノマドの定義をし始めるといつもややこしいのでやらないんですけど、はっきり言えるのは、「ノマドという仕事はない」ということですね(笑)。何らかの仕事をしているプロがノマドワークをしているだけ、つまり、何かをやるための方法がノマドだというだけなんですよ。

 だから、ノマドという言葉だって、人々が新しい働き方を実践していく過渡期に出てきた一つの言葉にすぎないと思っています。ニートという仕事がないのと同じですね。あ、phaさんはプロのニートなのか(笑)。

 僕も、東京各地のシェアハウスやゲストハウスを旅して暮らす「ノマドトーキョー」という生活実験をしているときに、ハット姿で都内を放浪する姿を見られて、ツイッターで「21世紀の寅さん」と呼んでくれた人がいたんです。でも、実は、以前と同じように昼間は働いていたんですけどね。

pha ノマドが批判されるのは、若い人がそれにそそのかされているように見えることが理由なんじゃないですか。今、ノマドとしてちゃんと稼いでる人はいいんだけど、「会社が嫌だからノマドになる」みたいな、ちょっと思慮の浅い若者が影響されているようだからという。

米田 でも現実には、ほんの一部の人が「ノマドだ」と言ってアイデンティティを表明しているだけで、さらにブームになって叩かれれば、そそのかされるような若者はいなくなりますよ。

pha そうですよね。実際はノマドも大変ですし、誰でもなれるようなものでもないでしょうね。ニートも同じですが。

米田 カッコいいことなんて何もないですからね。どんな仕事だって楽じゃないと思いますが、ノマドだと、個人として仕事をしていて、場所を移動することが多くなって大変です。だから、カッコいいという方向に「盛りすぎ」なんですよ。

pha その反動から結局、ネガティブワードとして、「ノマドはカフェなどで仕事をしていて、どこにも落ち着ける場所がない」みたいなことを書かれるんでしょうね。

米田 「オシャレなカフェでMac Book Airを開いて、だけど仕事はやってない、みたいな若者が増えたらどうするんだ?」と言われたこともある。でも、そんな若者はほんの一部だし、ノマドのフリだけしていても絶対飽きますし、続きませんよね。

 でも、僕は思うんですよ。フラフラしても別にいいじゃないかって。誰に迷惑をかけているのだろう、フラフラしている中でいろいろ考える時期があってもいいんじゃないかって。

 海外だと別にノマドとか当たり前ですからね。アメリカなんて移民の国だし、人口の4割くらいは会社に行かず在宅勤務している労働者、という状況になっているらしいですから。

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