現代新書
ANAに残されたのは「再上場したJAL買収」の秘策?!経営破綻を誰よりも早くスクープしたジャーナリストが問う、JAL再建は本物か
『JAL再建の真実』著者・町田徹インタビュー

 いよいよ9月19日に再上場を果たすJAL(日本航空)。売り出し価格が、仮条件の上限である3790円に決定し、今年最大の上場案件として市場の注目を浴びている。そもそもJALは、長年の放漫経営のツケがたまって経営破綻した会社だ。その後、法的整理を経て、政府の企業再生支援機構が出資、再建を担ってきた。懸念されていた国民負担は回避される見通しだが、再上場するJALは本当に復活したのか──。誰よりも早くJALの経営破綻をスクープし、このたび新刊『JAL再建の真実』(9月14日刊行)を上梓したジャーナリストの町田徹さんに話を聞いた。

JAL株は“買い”か?

──一部証券関係者の間では、債権放棄を強いられた銀行や商社などのかつての大株主が今回は多くを引き受けず、そのため、株をすべて売り抜けるのは厳しいのではないか、との見方もあるようですが、どのように見ていらっしゃいますか。

町田 株式市場の動向次第です。8月は日本株全体がもたついており、少し気になっていましたが、9月に入ってからは出直りムードもあり、売れ残りを心配する必要はなくなったのではないでしょうか。

 主幹事である大和証券の引受額が突出していることを懸念する証券会社もありますが、向こう2、3年のJALの収益見通しはきわめて良好で、ANA(全日本空輸)よりも割安ではないかとの見方をする向きもあるので、心配する必要はないでしょう。

──では、端的に言えば、一般の投資家にとって、今回のJAL株は“買い”なんでしょうか?

町田徹(まちだ・てつ) 1960年大阪府生まれ。神戸商科(現兵庫県立)大学商経学部卒業後、日本経済新聞社を経て、独立。おもな著書に『東電国有化の罠』(ちくま新書)などがある。

町田 持っているおカネの性格によって違うと思います。どんな株でもそうですが、株は上がる時もあれば、下がる時もあるものです。専門家でさえ、その価格変動の正確な予測は難しい。なので、元本を割り込んでは困るおカネや、急な換金の必要が出てくるおカネでの投資は絶対に避けるべきです。

 次に、航空株というと、航空券の株主割引など副次的な恩典を狙って、株式に投資する方が昔から多いのが特色ですが、今回のJAL株は以前と異なり、長期保有しないと、そうした恩典が享受できない面があります。なので、優待券狙いの投資家にもメリットは小さいと思われます。

 では、どういった投資家がJAL株投資に向いているかというと、比較的、短期間を想定して、JAL株の値上がり益をとろうというタイプの投資家でしょう。各人の判断ですが、短期間に、好調と見込まれている業績やM&Aへの期待から値上がりすると予想する方で、結果として損をしても許容できるおカネを持っている人は投資リスクをとってもよいのではないでしょうか。

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