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ITトレンド・セレクト
2012年09月13日(木) 小林 雅一

アップルに降伏したフェイスブックとHTML5の行方 【前篇】

iPhone向けに作り直されたFacebookアプリ〔PHOTO〕gettyimages

 ここ数年で膨れ上がった次世代ウエブ技術「HTML5」への期待感が、最近急速に萎(しぼ)んでいる。その大きな要因の一つが、先月下旬にフェイスブックが起こした動きだ。同社は、以前から評判が悪かったiOS(つまりアイフォーン、アイパッド)向けのフェイスブック・アプリをゼロから作り直して、これをアップストアから再リリースしたのだ。

 この記事をお読み頂いている方にも、普段フェイスブックをアイフォーンからお使いの方がおられると思うが、「確かに以前よりもアプリの動きが速く、滑らかになった」という感触を持たれたのではなかろうか。実際、多くのユーザーはそのような感想を抱いているようだ(実は筆者自身は、以前とそれほど大差ないように感じているのだが、ここは大方の見方に従っておこう)。

 それ自体はとても良いことなのだが、一方で今回のフェイスブックの動きを複雑な思いで見つめている人たちもいる。それは冒頭に記した、「HTML5」と呼ばれる新しいウエブ技術を支持してきた人たちだ。その説明に入る前に、HTML5とは何かを簡単に解説しておこう。

 HTML5とは、私たちが普段使っているホームページ(ウエブページ)を制作するためのコンピュータ言語「HTML」のバージョン5である。今までのバージョンと何が大きく変わったかというと、それは「JavaScript」や「CSS」などプログラミング関連の機能が大幅に強化されたことだ。つまりHTML5を使うと、従来の単なる静的なホームページのみならず、もっとダイナミック(動的)なアプリケーション・プログラム(アプリ)も作ることができる。これがHTML5の最大のメリットだ。

閉鎖的なモバイル・アプリ市場を解放するHTML5

 このHTML5の応用領域は、パソコンからスマートTVのような次世代家電、さらには自動車に搭載される車載システムなど実に広範囲に渡っている。が、まず真っ先に期待されているのが、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末への応用だ。なぜか? それはHTML5が、アップルやグーグルなどが支配する「クローズド・プラットフォーム(閉鎖的プラットフォーム)」の世界を解放してくれるかもしれないからだ。

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