改正金融商品取引法の成立で「総合取引所」がついに実現!! 役所の縛りをこえて東証・大証の統合で「強い取引所」はできるか
東京証券取引所(左)と大阪証券取引所(右)〔PHOTO〕gettyimages

 「総合取引所」を実現させるための制度整備を盛り込んだ改正金融商品取引法が9月6日、衆議院本会議で可決された。すでに参議院は通過しており、会期末ギリギリでの法案成立となった。これまで、金融庁と経済産業省、農林水産省に分かれていた取引所に対する規制・監督の権限を、原則として金融庁に一元化することとなる。

 株式や金融先物、商品などを一括して取引する総合取引所の実現に向けて、民間の取引所に対して政府は積極的に働きかけを行う方針。省庁間の権限争いもあり、法案の成立が危ぶまれたが、とりあえず、第一歩を踏み出した格好だ。アジアの中心となる「強い取引所」を再構築できるかどうか、注目される。

規制が一本化される意味は大きい

 総合取引所の実現は民主党政府が掲げた「新成長戦略」の柱の1つ。金融分野では「目玉」の政策だった。地盤沈下が著しい日本の資本市場再興に向けた政策として打ち出された。自民党政権時代の「骨太の方針2007」に盛り込まれたのが最初だったが、原油や金属など工業品の取引所を所管する経済産業省や、農産物の取引所を所管する農林水産省の根強い反対で、規制の一本化ができなかった。

 民主党政権で法案が動き出したのは、工業品や農産物などの商品取引の売買激減で取引所の行き詰まりが明らかになったため。農水省所管だった東京穀物商品取引所は自社所有の取引所をすでに売却、それでも赤字経営から脱却できなかった。

 2013年2月頃までに経産省所管の東京工業品取引所(東工取)に上場商品を移管した後、来夏には解散することを表明している。一方の東工取も4年連続で大幅な赤字を計上しており、このままでは日本から商品取引所が消えかねない状況に追い込まれている。

 焦点は来年1月に東京証券取引所と大阪証券取引所を統合して発足する「日本取引所グループ」に商品取引所が合流できるかどうか。持ち株会社の下に現物株式取引所(東証)、デリバティブ(金融派生商品)取引所(大証)、決済会社、自主規制機関がぶら下がる。

 東証や大証の幹部は、東工取が持ち株会社傘下に加わること自体は拒否していないが、東工取が加わることで、経産省の規制が加わり、二重規制になることを懸念してきた。今回の法案成立で、曲りなりにも規制が一本化される意味は大きい。

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