ヘッジファンドの収益力低下の原因は何か?
金利が低下傾向にあるオーストラリアドル〔PHOTO〕gettyimages

 最近、ヘッジファンドのマネジャー連中から、「今年はなかなか儲からない」というメールをもらうことが多い。確かに、為替や株式の金融市場の動きは読みの難く、高い収益を確保できるようなビジネスチャンスが見当たらない。

 特に、彼らが今まで得意としてきた、為替に絡めて低金利通貨で資金を調達し、それを高金利通貨で運用する、いわゆるキャリートレードのパフォーマンスが悪いようだ。足元で、高金利通貨国の代表格だったオーストラリアの景気が減速しており、金利が低下傾向を辿っていることが大きな要因の一つだ。

 それに加えて、為替市場全体で変動率=ボラティリティーが低下しているため、キャピタルゲイン=値上がり益を手にすること画難しくなっている。ファンドマネジャーの一人は、「今は我慢の時、いずれ収益チャンスがやってくる」と自分に言い聞かせていた。

ユーロの意外な健闘

 2010年秋のギリシャ危機の顕在化以降、多くのヘッジファンドは、ユーロの下落を狙ってユーロの売り持ち=ショートポジションを積み上げてきた。長期的に見ると、ユーロは下落傾向を辿っているのだが、そのペースは当初の予想に反してかなり緩やかだ。

 それに加えて、多くのファンドがユーロショートを積み上げた結果、ドラギ・ECB総裁の「ユーロを守るためには何でもする」という発言などユーロ支援材料が出ると、その都度、ユーロショートの手仕舞いが必要になり、そのコスト分を負担しなければならない状況が続いている。

 あるファンドマネジャーは、「ユーロの意外な健闘が、ヘッジファンドの収益率を大きく低下させている」と嘆いていた。恐らく、これからもユーロに関してはそうした相場展開が続くと見られ、大きく儲けることは難しそうだ。

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