雑誌
9・19再上場 この株を買うと損するか、得するか JAL株は買うべきか、買わざるべきか
〔PHOTO〕gettyimages

 久しぶりの超大型IPO案件ではある。ナショナルフラッグキャリアの再上場には大きな期待と同時に、市場に混乱をもたらすのでは、との警戒感も根強い。はたして、JALは再び羽ばたくのか---。

儲かって仕方ない

 10年に一度と言われる大型上場を市場関係者は固唾を飲んで見守っている。9月19日に再上場を果たすJAL株のことだ。売り出し株数は国内外で計1億7500万株、最大6632億円の資金を市場から集める超大型上場となる。

 景気が低迷し、伸び悩む株式市場に光明をもたらす福音となると期待する個人投資家も数多い。

「大型上場はある種のイベントであり、お祭りです。それによって株式市場に一般投資家の関心が高まり、参加者が増えることが期待できます。幅広い銘柄に投資するインデックス運用を行う機関投資家は、ポートフォリオに組み込まないといけませんしね。ただし、既存の銘柄が売られることになりますが」(カブドットコム証券チーフストラテジスト・河合達憲氏)

 直近では'10年に第一生命と大塚ホールディングスの大手2社が新規上場をはたしたが、いずれも初値は公募価格を上回った。それ以上の規模となるJALの再上場でも同じことが起こるのではないかと、株式投資に興味を持つ人びとの間で大きな話題となっている。

 思い起こされるのは、'86年に東証一部に上場されたNTT株だ。

 政府保有の株式が放出されるや、買い注文が殺到し、翌日にようやくついた初値が160万円。その後も高騰を続け、約2ヵ月後には史上最高値となる318万円をつけた。

 JAL株で、その夢よ再びというわけだ。

 個人投資家は、どうすれば「JAL株再上場」で儲けることができるのか。JAL株を買うべきか、買わざるべきか---それが問題なのである。

 たしかにJALの業績のV字回復には目を見張るべきものがある。'12年3月期決算でJALは過去最高の2049億円の営業利益、1866億円の純利益を稼ぎ出した。'09年3月期には508億円の営業赤字を出していたのだから、この業績改善は驚異的だ。

 ライバル企業のANAも'12年3月期決算では過去最高となる970億円の営業利益を叩きだしたものの、JALと比べるとその額は半分以下。両社の差は歴然としている。

 ANAの中堅社員からはこんな怨嗟の声が上がる。

「JALは一度〝潰れた〟はずの会社です。銀行からの借金5200億円を棒引きしてもらい、すべての株式を紙クズにしました。企業再生支援機構からは3500億円もの巨額の資金を出資してもらっています。しかも、この先9年間は法人税を払わなくてもいいという制度まで適用される。財務体質がよくなるのは当然です」

 逆に言えば、それだけJALの経営が強靭になったということだが、それでJAL株が〝買い〟かというと、話はそう単純ではない。

 注目されるのは、JAL株がいくらで売り出されるのかということだ。

 JALが8月3日、関東財務局に提出した有価証券届出書では、1株の想定売り出し価格は3790円としているが、この金額は妥当ではないと専門家から指摘されている。

「1売買単位(100株)で37万9000円になります。一方、ANAの株価は175~180円程度。増資前の6月の高値でも237円でした。ANAの売買単位(1000株)だと23万7000円なので、事業規模や業績を比較すると、明らかにJALの想定株価は高いと推察されます」(前出・河合氏)

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら