[パラリンピック]
競泳・木村、自由形の悔しさバネに銀メダル!

「英国の食べ物はおいしくない」と聞いたことがある人も多いのではないだろうか。確かに「フランス料理」「イタリア料理」などはあるが、「イギリス料理」はほとんど耳にしたことがない。しかし、最近では「だいぶ美味しくなった」という人もいる。果たして、実際はいかに……。

 まだロンドンに来て3日目だが、感想としては「特別に美味しいわけではないが、“まずい”わけでもない」というところだろうか。とはいえ、オリンピックパークとホテルの往復しかしていないので、まだよくわからない。しかし、はっきりといえるのは「お寿司」には騙されないほうがいいということだ。やはりお米が違う。どうもパサパサしていて、飲み物と一緒にゴクンと飲まなければ飲み込むことができない。「ロンドンでお寿司を買う勇気がある日本人っていないよね……」と海外通の日本人記者に言われ、とても「買いました」とは言えなかった。それからというもの、普通に美味しいサンドイッチを食べ続けている……。

「とにかくがむしゃらに泳いだ」

 さて、今日(3日)は競泳の視覚障害クラスで、前日の女子100メートル背泳ぎの秋山里奈に続いてのメダリストが誕生した。開会式で旗手という大役を務めた木村敬一が、100メートル平泳ぎで銀メダルを獲得したのだ。「北京と同じで終わりたくない」

 そう言いつづけて来た木村は、ロンドンでは必ずやメダルを獲得するべく、この4年間、必死にトレーニングを重ねてきた。ところが、メインとしていた自由形50メートルでは5位。両親、そして日大からは所属する水泳サークルの先生、学生の計10人の応援団が駆けつけていただけに、木村は申し訳なさでいっぱいだったという。そして世界の厚い壁を感じ、自分はどうしたらいいのかわからなくなってしまったのだ。3種目を残しながら、一度は「これで今回のパラリンピックは終わったかもしれない」という気持ちにもなったという。そんな中でのメダルは、自信を取り戻すには十分だったに違いない。

 午前の予選では自己記録を0.47秒更新し、全体2位で通過した。約8時間後の決勝レースでも号砲に反応よく飛び込むと、序盤は予選を1位で通過し、結果として金メダルを獲得した中国人選手とトップ争いを演じた。しかし、木村は25メートルを過ぎたあたりから中国人選手に引き離されていった。50メートルのターン後は先行する中国人選手を追いかけるように、木村を含めた3人の選手がほぼ横並びの状態で残り2枠のメダル争いを展開した。

「最後はもうフォームもバラバラでしたが、とにかくがむしゃらに泳ぎました」

 見ている側にもその必死さははっきりと伝わってきていた。そして、3位とはわずか0.43秒差で、銀メダルを獲得したのだ。タイムは予選を2秒近くも上回っていた。