視聴率三冠王争いから外れたTBS 「民放の雄」に返り咲く日はくるのか!?

2012年09月08日(土) 高堀 冬彦
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 テレビの制作は同じく分社化したTBSエンタテインメントなどに移行(現TBSテレビ)。現在、両社は採用も給与体系も別々となっている。にもかかわらず従来通り同じ社屋で働き、人事交流もある。外部から見るとやや分かりにくく、実際にそうした声が内部でもあがっている。

 さらに09年には認定放送持株会社として東京放送ホールディングスが生まれた。テレビ分野の約900名とラジオ分野の約90名。加えてホールディングスは約400名。ホールディングスは単に持ち株会社であるだけでなく、グループ経営の舵を握り将来の戦略も練る。

自社人材を過小評価

 80年代までは当のテレビマンたちさえ「どんぶり勘定の経営」と自嘲気味に評していたテレビ局が、分社化と持ち株会社の設立で近代化された。フジは一足早く08年にフジ・メディア・ホールディングスを設立したが、準備の開始はTBSの方が早く、そもそも分社化が前提にあったTBSとは意味合いが異なる。

 とはいえ、組織の近代化が成功に直結するとは限らないのがビジネスの世界。「どうも昔と違う」とTBSのOBは嘆き続けている。「昔よりノリが悪くなった気がする。雰囲気が違う」と不満げだ。1年中、学園祭の催し物を作っているような集団でもあるテレビ局は、ノリや一体感が不可欠だというのだ。確かに業績好調なテレビ局ほど、社員同士や外部の制作会社、派遣スタッフのヒューマン・リレーションが良好に見える。

 雰囲気を以前と変えたのは、人材豊富にもかかわらず、それを重用しているとは必ずしも言えないことが原因ではないか。たとえば報道がその一例だ。

 平日夕方の 『Nスタ』 と平日夜の 『News23クロス』 のキャスターは、ともにNHKから招いた堀尾正明と膳場貴子の両氏。2人の人気と実力は認められているが、プロパーたちは「自分たちでも出来る」という自負心がある。なにしろ「報道のTBS」なのだ。ジャーナリズム界の花形スターだった筑紫氏を朝日新聞社から招いたのとは事情が違う。

 あの事件の後、ひょっとすると会社側は自社の人材を過小評価しているのかも知れない。

 皮肉にも経営効率化のために切り離されたTBSラジオは10年10カ月も連続で聴取率トップ。断トツである。テレビも再び視聴率年間3冠王争いに加わり、他局の警戒が現実のものとなる日はいつ来るのか?

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