2012.09.13(Thu)

障がいをお持ちの方は
「手伝おうかな?」
と思われている瞬間の
空気感がイヤだそうです。
「対話が大事」
これに尽きます。

カワムラサイクル 山﨑隆

週刊現代
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 阪神大震災の被害から不死鳥のように甦ったメーカーだ。かつては高価格帯の自転車を製造・販売していたが、震災で工場が被害を受けたため、それを機に事業を車椅子中心に転換し、別会社として再スタート。その後、地道に「使い勝手がよい商品」を目指して作り続け、日本における車椅子のトップメーカーに躍り出たのだ。社長は山﨑隆氏(56歳)。彼は何より"対話"を重視する経営者だった。

 

障がいをお持ちの方は
「手伝おうかな?」
と思われている瞬間の
空気感がイヤだそうです。
「対話が大事」
これに尽きます。
やまざき・たかし/'56年、長野県生まれ。'78年に立命館大学を卒業後、マックス株式会社に入社。文具・製図機器やラベルプリンターなどの営業に携わる。'10年4月、介護機器営業部の部長に任命される。同年6月に、カワムラサイクルがマックスの傘下に入り、カワムラサイクルに籍を移し、代表取締役に就任する

現場主義

 口癖は「現場行ってこい!」です。例えば、駅のホームは雨水がたまらないように少し線路側に傾いていることが多い。それは、車椅子の方にとっては、落ちないようにブレーキを握っていなければならず、怖いものなのです。そこで弊社は、車椅子を動かす時だけレバーを握り、手を離すと自動的にブレーキがかかる『忘れ騎士』という商品を出しました。よく"逆転の発想"と評されますが、その発想も結局は、現場を見ることで得たものです。


声なき声

 以前は「マックス」という、釘打機やホッチキスで知られる会社で営業をしていました。弊社はその子会社です。マックスの会長はよく「"困っていることはありますか?"と聞かれて話せるお客様などいない」と言っていました。例えば、ホッチキスを使う時に強い力が必要で疲れるとか、車椅子に乗る際に体が無理な体勢になる、といった細かいことを、我々が観察・研究しなければ、お客様の声なき声は感じとれません。


節電中?

 私の生まれは長野県の茅野市です。標高は900m。今も、私の実家にはエアコンがない。貧しいわけではなく、夏もカラッとしていて気温も低いからエアコンなしでも気にならないのです。

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