政策中心の政治に対応できない新聞記者は橋下市長に直接会見で質問したら。「世紀の大誤報」も飛び出した維新の会を巡る政治報道はなぜ混乱するのか

 国会は民主、自民、公明の3党合意で消費税増税法案が成立した後、「近いうち」解散の雰囲気となったが、参院で野田佳彦首相に対する問責決議が成立した。その決議の本文に書かれた問責の理由を読むと、自民の混乱ぶりが透けて見える。理由は「3党合意による消費税増税」を批判したというのだが、その問責に三党合意の当事者である自民党自らが賛成しているのである。こうなってくると、一般の国民には何が何だかわからない。

ひとつはっきりしているのは、首相は「近いうち」解散を約束したものの、それが果たせなくなったということだけだ。換言すれば、野田政権はもう解散さえできなくなってきている。これは谷垣自民が騙されたことになる。

 そこで、秋の10月9日(火)から14日(日)に東京で開催されるIMF・世銀年次総会の後、臨時国会開催、冒頭解散というシナリオを想定しながら、各党とも一斉に動き出している。

自民党総裁選は「安原茂」の争い

 民主、自民は代表選、総裁選がある。民主は9月10日(月)告示、21日(金)投開票、自民は9月14日(金)告示、26日(水)投開票という予定だ。

 民主は、野田首相の再選の可能性が高い。今の段階でも、有力な対抗馬が上がっておらず、低調な代表選だ。政権批判派は離党して一掃されているという理由もあるが、解散すれば民主の惨敗が確実なので、野田総理にすべての責任をとってもらおうということなのだろう。

 一方、自民の総裁選は盛り上がっている。第一党に返り咲くことが確実なので、自民党総裁は次期総理に最も近い位置だ。谷垣禎一、安倍晋三、石破茂の各氏が名乗りを上げる予定だ。このほかにも石原伸晃、町村信孝、林芳正氏らも出るかもしれない。

 これらの「候補者」を見るときの”補助線”は、橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会と距離感である。自民も公明と組むだけでは衆院の過半数をとれない可能性がある。過半数をとるためには、どこと「組む」かだ。3党合意の民主なのか、「ちゃぶ台返し」の維新なのか。

 安倍氏は維新との連携を明言している。石破氏は維新との接点は一見ないようだが、外交・安全保障では方向性は同じだし、橋下氏とのパイプもあるようだ。

石原氏は父の石原慎太郎東京都知事が橋下氏と関係が深いので、維新との距離感はあまりない。もっとも石原都知事は息子の石原幹事長を自民党総裁、首相にしたいので、橋下氏の国政進出を強く牽制するという微妙なところもある。

谷垣氏は、維新の政策とは距離がある。もともと民主との3党合意を画策し消費税増税した張本人だ。町村氏も林氏も維新との関係は薄い。

谷垣氏は「近いうち」解散で騙されたので、政治家としてダメという意見が自民党内に多い。その場合、民主との関係を引き継ぐのは石原氏だろう。

結局、安倍氏、石原氏、石破氏の「安原茂」が争うことになるのだろう。

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