できるだけ働かずにのんびり生きる
「日本一のニートを目指す」phaさん 【第2回】

〔左〕phaさん(自称ニート/「ギークハウスプロジェクト」発起人)と〔右〕米田智彦さん(フリーエディター)

第1回はこちらをご覧ください。

東京は人が多すぎるから、ソーシャルが流行る

米田 京大って、たとえば先生を見ても、「サル学」の今西錦司さんのような独特な方がいますよね。今西さんは「サルが何で立ったかっていうと、サルは立ったから立ったんや」みたいなことを仰っていて、ああいう論理を超えた論理のようなものって、東京のアカデミックな競争社会の中にいたらなかなか出てこない発想だと思います。梅棹忠夫さんも、東京ではなくずっと関西に住んでおられた。

pha うん、京都にそういうところはありそうですね。

米田 ネットって、もちろん東京中心じゃないはずなんですけど、ソーシャルで発言を注目される人は割とみんな東京在住というか、渋谷区や港区や中央区とかに集まってますよね。

pha ソーシャルで盛り上がるのは、東京という土地柄だからという感じはありますね。
あまりに人が多すぎる上に、地方から出てきた人も多いから、そのままじゃ社会全体への見通しを持つことができない。それで、ソーシャルなどのツールを使ってネットワークを作ることをみんな必要とするっていう・・・。

 京都なんかに住んでると、「そこまでソーシャルやらんでもええんちゃうの」って感じになりそうな気がします。東京ほど人が多くないから、何となく全体の雰囲気を把握できるし、ちょっと自転車で出かけていけば、気軽にいろんな人に会えるし。東京は人が多すぎて訳がわからないから、ソーシャルとかが流行るんじゃないでしょうか。

米田 東京って競争が激しいけど、逆にすごく自由な街でもあると思うんですよね。日本のどの都市よりも多様性に富んでいる。

 ただ、イメージとしてはすごく同調圧力が強いし、あとは「成功という概念の呪縛」が強いなってつくづく思います。「自分が一流でいたい」もしくは「一流の人と関わっていたい」、そういうコミュニティやレールから降りることイコール負けと捉えるというか。

 よく言う「勝ち組/負け組」じゃないですけど、負け組に入ると「もう人生ダメだ」となってしまう強迫観念が東京にはすごく漂っている。僕はそういう風潮に対して「ちょっと違う生き方もあるんじゃないかな」って思ったことが、「ノマドトーキョー」という、働きながら旅して暮らす生活実験をやったきっかけの一つなんです。

 社会から外れてもまた戻れる、ドロップアウトとドロップインを繰り返してもいいじゃないかっていうか。それに、視点を変えたり、行動を変えたりするだけで、「人生、捨てたもんじゃない」と楽しくなることがある。

pha うん、それはありますね。僕自身は「成功という概念の呪縛」や同調圧力をあまり感じない人間なんですが、それは東京近辺の出身ではなく、わりと長いこと関西圏で生まれ育ったせいもあるんじゃないかと思います。僕が東京に出てきたのは28歳のときで、それまではずっと大阪か京都にいましたし・・・。生き方はもっといろいろあっていいですよね。

米田 大人が「会社は最低3年辞めるな」と言ったって、今だと逆に、やる気や危機感のある子はすぐにでも飛び出して、起業など独立して働きたいと思うでしょうね。また、会社の仕事がきつすぎて、うつになったり病気になったりする人が辞めるのも止められないと思うんです。下手すると命に関わることだったりする。

 でも、現実にはいくらでも生きていく術はあるし、いくらでも仕事があるんですよね。

pha 東京にはせっかくいっぱい人が集まってるのに、同調圧力なんかで生き方が限定されちゃうのはもったいない。いろんな人がいるんだから、いろんな価値観やいろんな生き方やいろんなコミュニティが本当はあるはずなんです。

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