賢者の知恵
2012年09月11日(火) 週刊現代

大反響の「日本の大金持ち研究」遺産相続・詐欺・恐喝・骨肉の争い なってみないと分からない連続インタビュー大金持ちはこんなことで悩んでいる

週刊現代
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 成功した実業家や生まれついての資産家は、たしかにお金には困らない。人よりもいい暮らしを送っている。しかし、それで幸せかというとそうでもない。人生にとってお金とは、幸福とは何か---。

隠し子に遺産を分けたい

「事業で成功すると仕事以外での悩みが増えます。まず証券会社のセールスマンが次々とやってくるようになる。それから、投資を勧める資産運用コンサルタント。アポなしでやってくるうえに、断っても容易に引き下がりません。国内事業への投資を勧められたほか、海外の鉱山開発の出資をもちかけられたこともあります。また、『CO2の排出権を買わないか』と、環境ビジネスに誘われたこともありました。幸い、出資話でダマされたことはありませんが、邪険にして恨まれるのも嫌なので、断るのに一苦労です」

〝金持ちならではの悩み〟を明かすのは、東亜機工社長の田渕国広氏だ。

「四国の発明王」とも呼ばれる田渕氏は、個人で約130もの特許を持つ。田渕氏が一代で築いた同社は香川県を本拠に、おむつや生理用品などを製造する機械の開発・製造で発展。最近では竹を原料にした「竹綿」の大量生産機を、世界に先駆けて開発している。

 田渕氏に持ち込まれるのは、怪しげな投資話だけではない。寄付の要請もひっきりなしにくるという。できる限り応えたいとは思うが、それにも限界がある。田渕氏が続ける。

「地域の神社などには、役目として相応の寄付はさせていただきますが、全国からくる求めには応じきれませんから、お断りすることもあります。すると『あそこは金を出さない。ケチだ』と吹聴され、不快な思いをさせられます。寄付をしたらしたで、悪く言われることもある。寄付をして『選挙に出るつもりだろう』と言われたときには、心外でした。そんなつもりはまったくないのですから・・・・・・」

 寄付をしてもしなくても中傷されるという理不尽。だが、大金持ちたちが頭を悩ますのは、外部からもたらされる話に限らない。もっとも身近な存在である身内が、悩みのタネになることが多々あるのだという。

 20代で会社を興し、年間10億円の売上高にまで成長させた、あるメーカーの会長(69歳、埼玉県在住)は人知れず悩んでいた。

 といっても、仕事や後継者問題などではない。2人の息子に譲った会社は、この不況下でも業績は堅調。孫たちも都内の有名大学に入学し、一族の将来にこれといった不安はない。経営の最前線に立っていた時代には実現できなかった、夫婦水入らずの時間も満喫している。

 しかし・・・・・・。実は会長は家族にも話すことのできない、いや、家族だからこそ話すことのできない悩みに頭を抱えているという。

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