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著名人10人が薦める「私の人生を変えた、この1冊」
フライデー

 '11 年12月、過去の経験をまとめた『日本人はなぜ株で損するのか?』がスマッシュヒット。今後は著述業を中心に「カネの本質」について発信を続けていく。

「憂鬱でなければ、仕事じゃない」見城徹、藤田晋 共著

川越達也(料理人)
1972年、宮崎県生まれ。東京・代官山の『TATSUYA KAWAGOE』オーナーシェフ。深夜バラエティ番組『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)への出演で一躍有名に。外食産業の監修などでも活躍

「〝川越達也〟という前例のない料理人として活動していくためには、同業者の方が書いた本から知識を得るだけでは足りない。一代でブランドを築かれた異業種の方の経験論を、意識的に多く読むようにしているんです」

 イケメンシェフとしてメディア頻出のレストランオーナー・川越達也氏(40)。彼が選んだ1冊は『幻冬舎』の見城徹氏と『サイバーエージェント』の藤田晋氏という両社長の共著『憂鬱でなければ、仕事じゃない』(講談社刊)だ。

「自営業の方は共感するよね、って感じの本ですね。今の世の中は『仕事は楽しんでやるべき』と考える人が多いのでしょうが、僕はそうは思わないんです。仕事は憂鬱なものですよ。もう吐き気が出るくらいイヤな時がある。でも、そう思い詰めて悩むことで、次の扉が開かれると感じるんです。ヘラヘラ笑いながらできる仕事なんて、仕事じゃないでしょう」 

憂鬱でなければ、仕事じゃない
見城徹、藤田晋 共著

 数年前より、テレビや雑誌に盛んに登場する川越氏には、保守的な料理人業界から批判的な声が多く上がっていた。そうした空気に嫌気すら差していた最中に出会ったのが、この本だった。

「読み終えてから『他にもそう思っている人はいる。よかった!』とすごく嬉しくなった。見城さんも藤田さんも、あんなに凄い人たちなのに、仕事に憂鬱を感じているんだ、僕の憂鬱なんてまだまだ甘いぞ。頑張らなきゃって」

 以来、メディア露出に対する考え方にも微妙な変化が生じた。

「無理してでも、あちこちに名前を出そうと思って今日までやってきました。それは時に憂鬱だったけど、仕事ってそうじゃないといけない。東京はとにかくライバルが多くてシビア。そんな街の真ん中でお店を開いて生き残るには、多くの人に名前を覚えてもらう必要がある。常に他人から『あいつ、また何か新しいことをやってるな』と思わせないと勝ち抜けませんから」

 自ら〝憂鬱〟に飛び込むことが、開眼した川越氏の仕事術。取材の最後には、お馴染みの川越スマイルが輝いていた。