長谷川幸洋「ニュースの深層」
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日本は二流国に転落してもいいのか!? ~第3次「アーミテージ報告」にみる日米関係の重要論点

2012年08月31日(金) 長谷川 幸洋
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リチャード・アーミテージ元国務副長官(左)とジョセフ・ナイ元国防次官補(右) 〔PHOTO〕gettyimages

 米国のアーミテージ元国務副長官とナイ元国防次官補ら超党派グループが最近、日米同盟に関する報告書「The U.S.-Japan Alliance」をまとめた。2000年と07年に続いて第3次の「アーミテージ報告」と呼ばれるリポートは、今後の日米関係を占ううえで基礎となる文献として各方面から注目されている。

 論点はエネルギー安全保障から経済・貿易、近隣諸国との関係、新たな安全保障戦略など多岐にわたる。ここですべては網羅できないが、私の独断と偏見で興味深いと思われる論点をいくつか紹介する。

「指導者を選ぶことで一流国のステータスを維持できる」

 まず日本の位置づけだ。報告は冒頭で「一流国」の条件として大きな経済力と軍事力、グローバルなビジョン、国際問題に関する指導力の4点を挙げている。そのうえで高齢化や出生率の低下、巨額の公的債務、日本の若者の間に広がる悲観論と内向き志向などを背景に、冒頭で「日本は一流国でありたいのか、それとも二流国に転落してもいいのか」と問いを投げかけた。

 しかも「二流国で満足するなら、この報告は興味を引かないだろう」と挑発している。この種のペーパーの書き出しとしては、しかも同盟国である日本に対する問いかけとしては、かなり挑発的だ。それくらい危機感を抱いていることの表れである。

 しかも結論部分では「日本は決定的な岐路に立っている」として「アジア・太平洋地域でダイナミックな変化が起きているとき、日本は二度と同じ機会を手にすることはできない」と通告する。

 続けて「指導者を選ぶことで、日本は一流国のステータスを維持できる」とさりげなく指摘したあたりは、いずれ近い将来にある衆院解散・総選挙を意識したかのようだ。このあたりはさすがと思う。報告の価値を高めるタイミングを計算しているのだ。

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