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この光景を見て、忘れないで 三陸鉄道「震災学習列車」に乗ろう
線路沿いに瓦礫が積み重なる中を走る三陸鉄道。後部に連結されている車体は、震災支援プロジェクトから生まれたキャラクター列車「てをつな号」。9月30日まで運行予定
駅舎も線路も流された島越駅。宮澤賢治の「発動機船」の詩碑だけが残った

取材/三宅真由美 撮影/郡山総一郎

 青く美しい海が広がる海岸線沿いにこぢんまりとしたかわいらしい列車が走る。その脇の丘には夏草が繁るが、それは瓦礫の山だ。あの日から2度目の夏------。三陸鉄道が企画した、被災地を知る列車旅に同行した

 岩手県沿岸地域で市民の足として活躍した三陸鉄道。東日本大震災から1年半近く経った今も南北2路線のうち、北リアス線の田野畑~小本駅間と南リアス線の全線は運休したままだ。再建は容易ではないが、同社は復興に向け、様々なイベントを企画している。その一つが、北リアス線久慈~田野畑駅間を利用した「震災学習列車」だ。これは、修学旅行や教育旅行などの団体を対象に、車内で三陸鉄道社員が被災状況を案内するもの。

津波で流された地を眺める学生たち。雑草が生い茂り、震災前の面影はない

「震災後は、関係各機関の方々に被災地の現状を知っていただく企画を行いました。次は、次世代を担う子供たちに被災地の現実を見てもらい、同じような経験をしないように学んでもらおうと考えたのです」(北リアス線運行部・二橋守氏)

 同企画は6月の催行開始直後から頻繁に問い合わせが入り、地元だけでなく、関東の学校も修学旅行に来たという。

 夏休みに入ったこの日は、はるばる中国から青年代表団の大学生がやってきた。