サッカー
Jリーグを救う魅力的な市場は、アジアだ! 世界を意識したマンUの経営戦略をお手本にしない手はない
〔PHOTO〕gettyimages

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(以下マンU)と言えば、香川真司の移籍で注目度が高まっているビッグクラブです。そのマンUが、アメリカ・ニューヨークの証券取引所に上場したのをご存じでしょうか。

 ここ最近のサッカー界では、ロシアや中東の大富豪がクラブを買収し、私財を投入する動きが活発です。ロシアの石油王であるアブラモビッチ氏がオーナーを務めるチェルシーや、アブダビ(UAE)の航空会社が巨額の資金を投入したマンチェスター・シティ(以下マンC)などが、特徴的なケースと言えるでしょう。

 豊富な資金力をバックとして、どちらのチームも世界的なビッグネームを続々と獲得してきました。マンCは昨シーズンのプレミアリーグを制しています。

 ただ、お金だけでなく口を出すオーナーもいるでしょう。そのクラブが伝統的に築いてきたプレースタイルにも、影響が及んでくるかもしれない。古くからのサポーターが望まない方向へ、クラブが進んでしまうかもしれない。

 オーナーと現場の意見が衝突して、支援が打ち切られるという事態も、可能性としてはゼロではありません。華やかなワンマン経営にも、リスクは潜んでいるのです。

 そうしたなかで、マンUは違う選択しました。中長期的なスパンで経営を安定化させ、ビッグクラブにふさわしい陣容を保つための資金力を、株式の公開へ求めたと私は理解しています。

クラブ経営の最先端を走るマンU

 マンUというクラブには、世界中から選手が集まっています。ヨーロッパと南米はもちろん、アフリカや北中米カリブ海もカバーしている。

 そして、アジアです。韓国代表の朴智星は去りましたが、ご存じのように香川真司を獲得しました。そのチーム編成は、世界各国の企業を意識したものと言っていいでしょう。イギリス国内、ヨーロッパ圏内だけでなく、世界中をマーケットとしてとらえているのです。プレシーズンに南アフリカや中国へ遠征したのも、世界を意識した経営戦略の表れに他なりません。

 私は昨年からベトナムへ何度も足を運び、東南アジアの隣国も訪れています。現地でいつも感じるのは、人々のパワーです。ベトナムも、インドネシアも、活気に満ち溢れています。

 人口という観点から見ても、アジアは見逃せない市場となっています。人口のトップ10には、中国、インド、インドネシア、パキスタン、バングラデシュといった国々が名を連ねています。ベトナムやフィリピンも人口が増えている。アジアだけで世界の半分を占めているのです。

 消費という行為は人間がするものであり、人口の多いところに投資するのは経済活動の基本でしょう。アジアをどのようにして取り込むかという命題は、サッカーチームにとっても例外ではありません。スポーツビジネスが巨大化、グローバル化している状況において、マンUの経営陣はサッカークラブの最先端を走っていると言っていいでしょう。

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