奪われたのは、竹島だけか? 日本製品のシェアを着実に奪い続ける李明博政権の経済外交の実績を過小評価してはならない!
経済外交では多くの実績を上げる李明博大統領〔PHOTO〕gettyimages

 歴代大統領が自粛してきた竹島上陸を強行するという帝国主義的な手法によって、日本固有の領土・竹島を不法占拠しながら実効支配の既成事実化を試みたと思いきや、その数日後には、竹島上陸を決断した背景には、従軍慰安婦問題という女性への普遍的な罪に対する日本政府の不誠実な対応があるとの主張を展開して国際世論の同情を獲得しようとする---。

 残す任期がほぼ半年の支持率低下に悩む指導者とは思えない勢いで国際社会への露出を強めているのが、このところの韓国の李明博大統領だ。

 過去数年、韓国の世論を刺激したくないという態度がありありだった日本政府が対応を改めて、真正面から竹島問題に取り組むのは、もはや避けて通れないことだろう。

 しかし、気掛かりなのは、李政権が経済外交などで意外と多くの実績を上げていることを過小評価しがちな点である。彼我の差を検証して戦略を立て直さないと、経済大国ニッポンの存在感は益々希薄化しかねない。

一方的に設定された「李承晩ライン」

 まず、竹島問題に触れておくと、韓国政府は長年、明治政府による1905年の竹島の島根県への編入を「韓国併合の第1歩」と位置付け、日本がこの問題を提起しようとすると「軍国主義の復活」と声高に主張して話し合いの芽を入り口で摘んできた。このため、徐々に、日本側が食傷気味になっていったというのが実態だろう。

 だが、実際には、日本には、江戸時代からアシカ漁やアワビ獲りのために竹島を領有していた記録がある。明治の島根県への編入も他国の領有がないことを確認したうえでの措置だった。従って、侵略の第1歩というのはあり得ない主張だ。

 戦後、サンフランシスコ平和条約の草案作成段階で、韓国が日本の竹島の領有権放棄を要求したのに対し、米国がこれを拒否。その際の書簡で、「我々の情報によれば朝鮮の一部として取り扱われたことは決してなく、1905年頃から日本の島根県隠岐島支庁の管轄下にある。この島は、かつて朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見られない」と説明したこともよく知られている。

 ところが、同条約の発効前に、韓国が一方的に「李承晩ライン」を設定し、そのライン内に竹島を取り込み、以後、警備隊を駐留させて、不法占拠を続けてきたのである。

 こうした経緯は、外務省のホームページにも詳しく記載されている。その一方で、韓国が、大統領官邸(青瓦台)のホームページで展開している主張は、筆者が読む限り、いずれも説得力を欠いているとしか言いようがない。

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