投資とは未来を写すスナップショット ~写真家青山裕企への挑戦状
〔PHOTO〕gettyimages

 最近、オリンパスの「ペン」というミラーレス一眼レフを入手しました。私は写真は好きだけれどもカメラにはまったく興味がありませんでした。高いし、重いし、難しそうだし・・・。特に一眼レフには躊躇してしまいます。カメラは"男の趣味"というイメージですが、男性にとっても、一部のメカ好きというかカメラ好き以外には、割と敷居が高いものだったんじゃないかなぁ、と思ったりもします。

 ところが、ミラーレス一眼レフの登場でカメラ市場は一変しました。安くて、軽くて、カンタン。その結果、この市場にファミリー層、特に女性がどっと参入しました。今、カメラ売り場に行くと、マニアの男性以上に若い女性が目につきます。

 でも、よく考えてみると、女性がカメラ市場に向かうのは当たり前です。写真に撮りたいものって、ペットとか料理とか子供とかお花とか風景とか旅の思い出とか、そもそも女性の大好物ばかりではないですか。

 黒い色で重くて高くてメカメカしていたから、いままでは敬遠していたけれど、カラフルで軽くて安くてオシャレになれば、ちょっとしたブームになるのはよくわかります。本屋にはそのような女子カメラ本がたくさん並んでいます。また、ブログやツイッター、フェイスブックなど、写真を気軽に投稿できる場ができたのも大きいですね。

 オリンパス・ペンは典型的な女子カメラです。まぁ、私が女子カメラを持つのもちょっとアレなのですが、とはいえ軽くて操作性がしやすいというのは、メカにそれほど興味がなかった男性にとっても魅力的ではあります。また女子カメラの解説本は写真や図解が多く文章が少ないので、手っ取り学びたい私のような人間にはとても好都合でした。

 そして本を読んで実際に写真を撮ってみると、いろいろと気づかされることが多く、非常に得るものが多かったのです。

人生と同じように日本経済もカラフルなのです

 本日、青山裕企さんの『僕は写真の楽しさを全力で伝えたい!』という本が星海社新書から発売になりました。これはとてもおすすめです。

 この本にも書いてありますが、「見る」ことの楽しさってありますよね。写真を撮るようになると自分の見方の癖がわかる。カメラを持ち歩くと見る視点が変わってくるので、平凡な通勤風景が大きく変わる。それは見る視点が増えるからです。

 そもそもこの本の編集者からは、構想段階から本の内容を聞いていたのですが、その時点ではカメラを持つつもりもなかったし、iPhoneのカメラで十分だったので、そそられるというほどの話ではありませんでした。でも実際にカメラを持って街を歩いてみると、撮られるべき価値のあるものが無限に存在する、ということがわかりました。青山さんも「昨日とまったく同じ世界の風景やみんなの表情なんて、どこにもないのです」と言っています。

 私は株式投資の世界で、過去・現在・未来の日本のスナップショットを複数の銘柄で構成するという仕事をしています。今のポートフォリオ(ファンドの中身)といういのは、動き続ける動画の一コマであり、ある意味、一枚の写真のようなものです。青山さん曰く、「シャッターを押せば人生は最高にカラフルになる」。それはそうだ。なぜならシャッターを押さなくとも、そもそも人生はカラフルなのだから。

 日本の経済はとても悪いと思われているし、実際、ダメな大企業の業績や株価の話を毎日のように聞かされています。しかし、よくみてみるとそんなに悪い会社ばかりではないんです。よい会社もたくさんあります。このような悪い時期(と思われるようなとき)でも、順調な業績の会社はたくさんあるのです。なぜなら人生がカラフルであるように、日本経済も実にカラフルだからです。問題はそれを見ていないだけ。見ようとしていないだけなのです。

 投資も、昔から続けているピアノも、最近始めたカメラも、私にとっては本質的には同じことです。それは人生のある局面を切り取っていく行為です。時には様々な矛盾や身の毛のよだつような悪意も混じってくるけれど、でも全体としてはワクワクするし、十分に美しい人生。私にとって、すべてはカラフルな人生の断片を切り取っていく作業なのです。

 優れた写真は静止画であるのにドラマを映し出します。そこにいたる背景やそのあとの未来を写した断面。一枚の写真は、過去や現在や未来をつなぐドラマです。そして私にとっての投資も、日本の未来のスナップショットを切り出す行為なのです。

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