特別レポート石川遼 もう勝てないのか? みんなが心配している なぜキミは10代の輝きと強運を失ってしまったのか

 ハンサムで、礼儀正しく、クラブを握ればスーパーショットを魅せる。そんなアニメのヒーローのような彼にも、天は試練を与えた。苦しみの先には何があるのか。石川遼、変貌のとき---。

ミラクルショットをもう一度

「ゴルフは精神面の安定と適度な自信がパフォーマンスに影響する、かなりメンタルに左右されるスポーツです。極端なことを言えば、いくら練習で出来ていても、精神面が安定していないと、本番でその成果が出せないのです。練習を重ねるだけでは成績は伸びない。リョウはまだ若く、時間はタップリありますが、変革の時が来ているのではないかと思います」

〝帝王〟ジャック・ニクラウスは、本誌の取材に答え、現在の石川遼(20歳)をこう評した。

 天才が悩んでいる。

 '10年11月以降、1年半以上も勝利から見放され、小学生の頃に作文で「20歳で優勝する」と誓っていたマスターズは自己ワーストの77位で予選落ち。今季ここまで国内外で23戦して、トップ5に入ったのはわずかに2回。世界ランキングは70位に後退した。7月の全英オープン前には、こんな姿が目撃されていた。

「なんとしてでも予選を突破したかったんでしょう、石川は谷口徹プロのもとを訪れ、アプローチを中心に、強弱をつけるショットの打ち方などのアドバイスを受けたそうです。谷口は上田桃子らとオフにキャンプを行うなど、熱心な指導に定評があるんですが、そうはいってもライバルの、しかも自分より世界ランクが下(92位)の谷口に教えを乞うとは・・・・・・。その前には、尾崎将司にも指導を受けていたといいます。石川は相当迷っているのではないか」(スポーツ紙ゴルフ担当記者)

 '07年、高校生ゴルファーとして臨んだ大会でプロゴルフツアー最年少優勝(15歳7ヵ月)を果たし、ギネスブックに名を刻んだ。16歳でプロ転向し、最年少プロ、最年少シード選手の記録を更新し、その翌年には最年少賞金王のタイトルを獲得。そして何より魅力的なのが時折見せる神懸り的なショットだろう。'10年5月には12バーディで58という驚異的なスコアをマーク。再びギネス認定されている。林の中に打ち込んでしまっても、そこからミラクルショットでイーグルを奪う---10代の頃の石川遼は、たとえ勝てなくとも胸のすくようなゴルフでギャラリーを熱狂させた。あの輝きはどこにいってしまったのか。20歳を超えたとたん、石川は勝利の女神から見放されてしまった。

 ゴルフ誌記者が嘆く。

「負け試合でもホールインワンを決め、翌日の新聞一面をかっさらったりしていた。見せ場を作る、あの爆発力がなくなりましたよね。プレースタイルも変わった。優勝争いか予選落ちかという、ハイリスクハイリターンな戦いが鳴りを潜めてしまった。コメントも格段につまらなくなりましたね。昔は政治の問題を振られても、ゴルフ用語にたとえて返したり、彼ほど『コメント力』のあるアスリートはいなかった。それが最近では、優勝争いの末、最終日に大崩れした時でも、悔しさを見せない。『いま、取り組んでいる練習を続けるだけです』なんていう優等生的な回答が多くなった。怖いもの知らずの10代を終え、遼君が守りに入っているとは思いたくないですが」