世界経済
中国経済の減速リスクで資源国通貨にも下押し圧力が!
〔PHOTO〕gettyimages

 最近、欧米のエコノミスト連中から、中国経済についての質問メールをよく受ける。それ程、彼らが、足元の中国経済の足取りについて懸念し始めているということだ。確かに、中国経済の動向には陰りがみられる。7月の中国の輸出の伸び率は前年比1.0%となり、最大の輸出先である欧州経済の減速などによって、6月の同11.3%増から大幅に鈍化している。

 また、中国国内の電力消費量の伸びを見ても、生産活動が大きく拡大しているようには見えない。今年6月以降に実施した金利引き下げなど金融緩和策へ転換した効果が見えてこないのだ。

 そうした状況を反映して、欧米のエコノミストの間では、「中国経済のハードランディング(急減速)は避けられない」との見方が強まっているようだ。2008年のリーマンショック以降、世界経済を下支えしてきた中国経済が大きく減速するようだと、その影響はわが国をはじめ世界の主要国に及ぶ。為替市場でも、資源国通貨などに影響が出ることが予想される。

中国経済の足取りが怪しい

 中国の政策当局は国内景気の減速に対して、昨年11月から3回の預金準備率の引き下げを行い、今年6月以降には金利を2回引き下げた。金融緩和によって景気刺激策をとってきたのだが、そうした金融政策の変更による効果も今のところ顕在化していない。7月の国内融資の増加率も伸び悩み、政策意図に反して、資金が上手く回っていない。

 中国経済の減速の背景には、欧州経済の減速に伴って輸出の伸びにブレーキが掛かっていることに加えて、企業経営者の設備投資に対する姿勢が慎重化したことが考えられる。今まで、中国の企業経営者の多くは、国内外の堅調な需要に基づいて積極的な設備投資を行ってきた。しかし、ここへ来て、予想されたほど需要の伸びが顕在化していないのだ。

 実際には、供給能力が大きく伸びたにもかかわらず、需要が追い付いていないのだろう。こうした状況が続くと、今まで中国経済のけん引役の一つだった投資にブレーキが掛かることになる。設備投資の減速によって、経済全体の在庫水準が上昇し、経済活動の伸び率を低下させる可能性は高い。

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