IBMの部門買収提案で、再び注目を浴びるブラックベリー

〔PHOTO〕gettyimages

 リサーチ・イン・モーション社(俗称RIM)といえば、ブラックベリー端末のメーカーとして有名だ。企業向けメッセージング・サービスを基盤に、黎明期のスマートフォン市場を席巻したが、最近の凋落ぶりは目を覆うばかり。そうした中「大手IBMがRIMに触手を伸ばしている」とのニュースを契機に同社再建に注目が集まっている。

●「RIM Said to Draw Interest From IBM on Enterprise Services」 bloomberg.com (Aug 11, 2012)

スマートフォンのOS競争に敗れたRIM

 日本では余り知られていないRIM社について、簡単に説明しておこう。同社は1984年に設立された。当初はページャーなどのビジネスを展開していたが、1990年代に企業向けメール・システムとブラックベリー端末を組み合わせたBES(BlackBerry Enterprise Server)が人気をよんで急成長した。

 当時、モバイル端末向けのメールは黎明期。同システムは、まだまだ珍しかったプッシュ・メールや各国政府の暗号方式に対応しており、データ・トラフィックが少なく、端末の待ち受け時間が長いなどの魅力とともに、米国では政府機関や弁護士事務所、医療機関などへと普及した。

 アップルがiPhoneを発売するまで、スマートフォンといえばブラックベリーであり、企業向けの高級端末との認識が一般的だった。iPhoneはコンテンツやサービスと端末を一体化させ、しかもパソコンのように様々なアプリケーションを乗せて、ユーザーの用途に最適化できる。このコンセプトはブラックベリーを窮地に陥れた。

 法人市場に強いRIM社はアップルと戦うためコンシューマ市場に挑戦した。たとえば、赤い軽量端末「BlackBerry Pearl 8100」はそこそこのヒット商品となり、2008年から9年ぐらいまで、米国ではブラックベリーがiPhoneを押さえてスマホ首位の座を守っていた。

 しかし、グーグル社のアンドロイドOSが台頭する2010年前後から、RIM社は急速に業績を落とした。グーグルとアップルの激しいスマホ戦争について行けず、ブラックベリーはキャリアからも消費者からも人気を失っていった。加えてアップルのiPadに対抗して出したタブレット「Playbook」は完成度が低く、従来のRIMユーザーを失望させる結果となった。

 こうしてモバイルOS開発では、先行するグーグルとアップルとの距離が開く一方、新製品の市場投入は延期が続いた。

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