勝間和代(経済評論家)×升永英俊(弁護士) 第3回「選挙を通じて既得権を奪う、これが一人一票運動という革命の根っこ」
〔左〕升永英俊さん(弁護士)と〔右〕勝間和代さん(経済評論家)

第2回はこちらをご覧ください。

勝間 升永さんがおっしゃるように、次の衆議院選で大きな革命の素地が整う可能性がある。一方で、それを助けるような動きもずいぶん出ています。各地方自治体で改革派の知事がどんどん当選しているのもそうですし、シダックスの志田勤会長のように市民団体を立ち上げて10万人を超える署名を集めている方もいる。

升永 シダックスの志田さん?

勝間 カラオケで有名なシダックスの創業者・志田勤さんが、首相公選制を含むいくつかの政策を支持する政治家に投票しようという集団を作っているんです。いま10万人を超える署名を集めたそうです。これを100万人にしたいと考えている。政党ではなく、首相公選を含め自分たちが考えている政策にコミットしてくれる候補者に投票しようという運動なんです。

升永 そうですか。それはいいですね。この運動は民主主義革命運動だから、やっぱり選挙を無視してはやれないんです。僕らは、暴力革命をやろうというわけじゃない。やっぱり選挙なんです。選挙を通じて既得権を奪おうという運動なんです。

 ところがね、NPO運動とか慈善運動というのは、基本的には「既得権は尊重したまま、社会のためにお役に立つようなことをしたい」という運動だから、結局既得権には触らないんです。

勝間 NPOなどは既得権を避け、そこからこぼれた部分だけを触るから、なかなか変わらないと。

升永 そう。ところが、これは民主主義革命運動だから既得権を奪う。反対者が必ず出ます。

勝間 升永さんたちは、一人一票や首相公選制を実現するための意見広告を新聞に数多く出稿していますよね。これなんかははっきり既得権に対して楯突いているわけですよね。

升永 完全に楯突いている。

勝間 私は、この広告をよく朝日新聞が載せたなと思ったんです(笑)。この反響はいかがだったんですか?

升永 その広告は73回目です。全国紙やブロック紙、夕刊紙などに広告を出しています。だから広告費もハンパじゃないですよ。民主主義革命運動だからしょうがないけれど(笑)。

 だけどやっぱり広告の効果はあります。やっていなかったら、ここまで運動は広がらなかった。政党も一人一票を言わなかったんじゃないかな。

勝間 政党も同じ流れに乗ってきたと。

升永 うん。首相公選って言い出したことも大きい。

日本がスペイン化するリスク

勝間 一人一票運動の広告には、賛同者としてたくさんの著名人の方の名前が載っていますけど、この方たちはどうやってこの運動に参加されはじめたんですか。

升永 同じく弁護士の久保利英明先生と私で、知り合いに呼びかけたんです。それから人づてで賛同してくれた人たちが集まり、その方々の名前とともに約3年前にポンと広告を打った。アリアケジャパンの岡田甲子男会長、久保利弁護士、伊藤塾の伊藤真弁護士らとともにやってきました。

勝間 升永さんは、ある意味、この民主主義革命に私財も残りの人生もつぎ込んでいるわけですね。

升永 なんともコメントのしようがありません。

勝間 でも、新聞公告を出し続けることで賛同者が増え、いまでは次の選挙でひっくり返るかも知れないという手応えは感じておられる。そこでお聞きしたいのですが、みんなの党や大阪維新の会と直接お話はされているんですか?

升永 みんなの党とは、私から近づいたわけじゃないですが、先方から連絡があってコンタクトは出来ています。橋下さんとは全然ありません。

勝間 橋下さんと相容れない人権の話は置いておくとしても、それ以外の部分で共通基盤がある人たちが連合すれば大きな革命が起こる可能性があるわけですね。

升永 うん。

勝間 正直言って、私、そこまで話が進んでいるとは理解していませんでした。「すごいことをやっている」と思ってはいましたが、次の選挙でひっくり返るかも、というところまで進んでいるとは思っていなかった。

升永 タイムスケジュールがそんなに早いとは思っていなかったでしょう。でも民主主義革命はもう待っていられないんだよ。だって、政治の停滞で、日本の競争力はどんどん落ちている。僕は、日本がスペイン化するリスクが相当あると思うんですよ。

勝間 すでに日本はスペイン化していると言っても過言ではないかも知れません。

升永 1年か2年の間に、ギリシャやスペインのようになる可能性がある。それは、世界の投資家たちが日本の国債の評価をどうするかにかかっているけれど、その評価を落とそうと思えば落とせるだけの理由はもう日本にはあるんだよ。もしもそうなると、失業率5%なんて言っていられなくなる。

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